2025年開幕戦初日の走行に臨んだ8号車トヨタGR010ハイブリッド 2月26日、カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットでWEC世界耐久選手権第1戦『カタール1812km』が開幕。この日は2回のフリープラクティスが行われ、トヨタGAZOO Racingnの2台のGR010ハイブリッドは、8号車GR010ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)が総合6番手、7号車(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース)が13番手で初日のセッションを終えた。
2025年のWECハイパーカークラスは、新たにアストンマーティンを迎え、アルピーヌ、BMW、キャデラック、フェラーリ、プジョー、ポルシェ、トヨタという、8つのマニュファクチャラー計18台が争う。
すでに開幕前週の2月21〜22日には公式テスト“プロローグ”が同サーキットで行われており、この日は3日間の休息を挟んでのレースウイークの走行開始となった。カタールのナショナルデー(12月18日)にちなむレース距離(または最大10時間)で争われる開幕戦は28日金曜決勝となるため、水曜に走行が開始、木曜に予選が行われるスケジュールとなる。
初日11時30分に開始されたフリープラクティス1では、2台のGR010ハイブリッドはタイヤとクルマのセットアップ作業に取り組み、デ・フリースとハートレーがそれぞれのクルマのベストタイムを記録。10分間の赤旗中断があったこのセッションではトップ11台が1秒以内に入る接戦となった。
夕方に開始され、日没後まで続いたフリープラクティス2では、8号車のハートレーが少ない燃料量でのアタックを敢行して6番手、デ・フリースも予選シミュレーションを行って7号車のベストタイムをマーク。これが13番手タイムとなった。
27日は現地時刻正午からフリープラクティス3のセッションが行われた後、日本時間23時から予選とハイパーポールのセッションが行われる。
開幕戦の走行初日を終えたTGRの6名のドライバーのコメントは、以下のとおりだ。
■プロローグから「風が完全に変わってしまった」
■小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)
「今日は風向きとコースコンディションに変化があったので、その状況に合わせたクルマの最適化に取り組みました。クルマの感触を向上させるためにハードワークを続け、より安定性を増すことができました」
「ライバルと比べるとスピードという点ではやや苦戦しているので、その差を縮める必要があります。予選までになんとかしたいところです」
■マイク・コンウェイ(7号車)
「今日はプロローグの時とは少し異なるコンディションとなったため、可能な限りその変化に適応したクルマになるよう一日努力した」
「風向きが変わるとコース上の砂も動き、大きく変化する。そのため、状況に合わせてクルマのバランスを再調整した。クルマの感触は良くなったが、まだ微調整を施す必要があるし、最善を尽くしていく」
■ニック・デ・フリース(7号車)
「トラブルなく順調な一日で、多くの周回をこなしたが、コースコンディションがプロローグの時とは大きく変わっており、誰にとってもリセットされたような状況だった」
「このコンディションに適応すべく努力を続け、決勝へ向けてクルマを最適化しようとしている。難しいが、力を合わせて最大限の努力を続けていく」
■セバスチャン・ブエミ(8号車)
「レースウィーク初日だったが、トラブルなく順調に終えられた。プロローグの後、風が完全に変わってしまったので、それに合わせる必要があった」
「とはいえ、全体的な状況はプロローグの時とそれほど大きくは変わっておらず、我々はまだ少し遅れをとっている。多少改善は進んだと感じているが、予選までにもっと強くなれるよう努力を続ける」
■ブレンドン・ハートレー(8号車)
「多くの周回をこなしたプロローグの後、いくつか細かい変更を加えた。それらはすべてうまく働き、いくつか改良点も見つかったが、上位勢とのギャップは変わらないので、ライバルも進化しているようだ」
「それでも、我々はトラブルなく順調な初日を終えることができた。これからは今あるものを最大限に活用し、完璧にレースウイークを戦えるよう頑張りたい」
■平川亮(8号車)
「プロローグの後、レースウイークへ向けて多くの準備をしてきましたが、コンディションがかなり変わってしまったので、セットアップに細かな変更を加える必要がありました」
「クルマはプロローグの時よりも良くなっており、それは良い兆候ですが、残念ながらまだラップタイムで上位には届いていません」
「決して諦めませんし、チームメンバーも全力を尽くしてくれています。決勝はチャレンジングなものになるでしょうが、頑張ります」