東京電力柏崎刈羽原発(奥)=2024年8月、新潟県(AFP時事) 東京電力ホールディングス(HD)柏崎刈羽原発(新潟県)の稲垣武之所長は27日の定例記者会見で、同原発7号機のテロ対策施設について、設置期限の今年10月までに完成することを断念したと発表した。これまで同3月としていた完成目標を2029年8月に大幅延期する。
完成延期について、稲垣氏は「詳細設計の見直しに時間を要し、審査が長期化した」と述べたほか、人手不足なども影響したと説明した。同社は6号機の再稼働も目指しているが、「7号機を先に再稼働させたいという思いは変わらない」と述べた。
7号機は再稼働の準備を整え、地元自治体の同意を残すだけとなっていたが、停止期間は長期化するとみられる。長期化により、同社の経営再建は一段と困難になりかねない。6号機のテロ対策施設も設置が遅れ、完成目標を26年9月から31年9月に変更した。