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※本コラムは『未恋〜かくれぼっちたち〜』第7話までのネタバレを含みます。
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■初めて“担当編集”としてではなく、“彼氏”として嫉妬?
第7話では、ゆず(弓木奈於)が、光学館で新連載をスタートさせることが明らかになりました。健斗(伊藤健太郎)には内緒で決めたことに加えて、光学館は三蜂社のライバル会社でもあります。
ゆずは、三蜂社の専属ではないため、ルール違反というわけではないのですが、健斗からしたらちょっぴり複雑ですよね。健斗が、「どうして教えてくれなかったの?」と聞いても、ゆずは「言ったら止められるから」と言うだけだし、「今、どこにいる?」とメッセージを送っても、「どこにもいません」としか返ってこない。
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状況をまとめると、健斗とゆずは今はもう恋人同士ではないんですよね? ちょっぴりうやむやになってしまっている部分はありますが、「それは、別れるって捉えていいの?」(健斗)「えっ、いいよ」(ゆず)「そっか。分かった」(健斗)というやり取りを交わしたということは、すでに別れたということ(?)。でも、編集者と漫画家という関係性は続いているため、連絡を取らないわけにはいかない。だから、お互いに吹っ切れないんじゃないかなと思います。
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それに、2人とも確実に未練があるんですよね。別れたとしても、関係がスパッと切れるわけじゃない……という安心感があるおかげで、距離を置くことができるんだと思います。とくに、ゆずはそうなんじゃないかな。健斗への好きが溢れているし、本当は別れたくないはず。
それなのに、あの時、健斗の問いかけに「えっ、いいよ」と即答したのは、プライドの高さが露呈されたのもあると思うけど、「どうせ、いくらでも挽回のチャンスはある!」という確信があったから。ここで、もし健斗から「新しい彼女ができたんだよね〜」なんて言われた日には、ゆずは「待って、待って。わたしのプランと違うんだけど!?」となるはず。もう、2人とも素直になれよ〜!
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別れているんだけど、別れていない……みたいな曖昧な関係の2人でしたが、一緒にみなみ(愛希れいか)の娘の面倒を見ることになったことで、向き合わざるを得ない状況に。ゆずは、みなみの娘のために全力を尽くす健斗の姿を見て、惚れ直したんじゃないかなぁ。
だって、少し預かるだけなのに、「うち、子ども向けのものなんて何もないし、4歳の女の子どう面倒見たらいいか分かんないからさ〜」と大量の子どもグッズを買ってきたり。正直、「やりすぎでは?」と思った部分もあるけれど、そういうところが健斗の良さなんですよね。
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また、ゆずと2人で話している時、「(光学館の担当編集は)男の人?」って聞いて、男の人だと分かったら「……そうなんだ」とちょっぴり不満げだったのがかわいすぎました。ゆずも「えっ、そこ気になる? 気になるとこ、そこなんだ」と言いながら、めちゃくちゃうれしそうだったし! それに、この瞬間、初めて健斗がゆずの“担当編集”ではなく、“彼氏”に見えませんでしたか? 彼氏として嫉妬してんじゃん! いちばんに気にするとこ、そこなの!? って。
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ただ、健斗ってまっじであまり感情がないんですよね。だって、「オムライス、好き?」って聞かれて、「好きでも嫌いでも……。考えたことないかな」と返す人って、珍しすぎませんか? 「普通」とか返せばいいのに、「考えたことない」って。ちょっと、面倒くさい!
そんな健斗が、ゆずのことを好きなのかどうなのか? なんて、考えられるわけがないんですよ!(言い過ぎ?) だから、ゆずがガンガン攻めていかなければ、今ある溝は埋まることがないんだろうなぁと思います。
■星くんが、本物の星になるらしい
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三蜂社が、“第二の深田ゆず”として売り出そうとしている新人漫画家・本島りん(外原寧々)。星くん(鈴木大河)は、アシスタントとして一緒にりんを担当することになったのですが……。
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どうやら、りんは星くんが大学時代に所属していた漫画サークルの後輩らしく! りんは、「星先輩が担当なら、安心です。漫画がすごく好きだから。漫画のことなら、星先輩がいちばん信用できます。唯一、ライバルだと思ってました」と星くんを褒め称えてくれたんだけど、今もなお漫画家になる夢を諦めていない星くんからしたら、嫌味に感じてしまう。「ライバルだと思ってました」と過去形で言うあたりも、グサっと刺さったんだと思います。
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「絶対に敵わない。でも、絶対に勝ちたい」と思う相手が現れた場合、相手を下げて自分を上げるのか。それとも、自分を上げて勝とうとするのか。戦い方は人それぞれですが、前者の場合はやっていて虚しくなってくると思うんです。
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星くんは、りんに匿名でアンチコメントを送ったり、三蜂社に向けて「本島描くの下手すぎる。絵がめちゃくちゃ下手。他の先生たちの恥だと思います。二度とつかわないでほしい」「本島の作品絵が生理的に受けつけない。見ていると気持ち悪くなる。なるはやでおろしてほしい」と意見書を送ったり……(筆跡を変えていないから、健斗にバレちゃうあたりマヌケですよね)。「そんなことをしている暇があるなら、自分の画力を上げろ!」と言いたくなっちゃいました。だって、りんが降板したところで、星くんにチャンスが回ってくるわけがないんだから。
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しかも、星くんがりんの価値を落とすために奮闘している間にも、りんはずっと漫画の練習をしているんです。だから、最初は絵がそんなに上手くなかったのに、見違えるほどに上達してきた。星くんは、そんなりんを見て「俺、何やってんだろ」と立ち止まったのはいいんだけれど、「気持ちが固まりました! 星たける、本物の星になります!」ってどういうこと〜!? 漫画家になるために全力を注ぐってことなんですかね?
健斗とゆずに加えて、星くんとりんの関係も気になってきた『未恋〜かくれぼっちたち〜』。では、また次回お会いしましょう!
(菜本かな)
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