2025スーパーフォーミュラ鈴鹿公式テスト 大嶋和也(docomo business ROOKIE) 3月7〜9日に、三重県の鈴鹿サーキットで開幕を迎える全日本スーパーフォーミュラ選手権の2025シーズン。昨年、タイトルを獲得した坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)がカーナンバー『1』を付け連覇に挑む年となるが、注目の海外ドライバーやルーキー、新チームもひしめく、見どころの多いシーズンとなりそうだ。
2025年は一部レースフォーマットも変更され、1ウイーク2レースのイベントも増加。また、タイヤのスペックが変更されるなか、2月に行われた公式テストは雪のため日程短縮と、どの陣営も充分に走り込めていない状況で開幕からいきなりの土日連戦を迎えるため、その勢力図も気になるところ。
ここでは公式テスト前日の『メディアデー』でのドライバー・監督らの発言を中心に、今季体制の変更点や注目ポイントなどをチームごとにまとめ、連載していく。
今回は大嶋和也の1台体制で参戦するdocomo business ROOKIEだ。
■docomo business ROOKIE 2025年スーパーフォーミュラ参戦体制
・ドライバー:大嶋和也(No.14)
・監督:石浦宏明
・チーフエンジニア:木谷彬彦
・エンジン:トヨタ/TRD 01F
■「広がり」求めてコラボレーションも積極的に
2020年から大嶋を擁してSFに参戦しているROOKIE Racing。そのチームオーナーはトヨタ自動車会長の豊田章男(モリゾウ)氏で、現在は幅広いカテゴリーで活動を行っているチームだ。
2025シーズンの目標は、これまでと変わらず「表彰台」であると引き続き指揮を執る石浦宏明監督は語る。ノーポイントに終わった2024年からの復活の道筋は、ある程度見えているようだ。
「昨シーズンは、いいところを走りながらもポイントが獲れないレースが続きました。ただ、レベル的には毎シーズン着実に進化していると思うので、昨シーズン以上の速さをしっかり出せるようにしていきたい」と石浦監督。
大嶋本人も「スピードを感じながらもまったく結果につながらない一年で、非常に悔しいシーズンになってしまった」と2024年を総括。ただしマシンには手応えを感じているようで、「可能性は感じられるクルマ」になっていると表現。ピークをうまくコンディションに合わせられれば、「表彰台が見えてくるレベルには来ていると思う」という。
チームと大嶋は、近年はとりわけスポーツランドSUGOで光る速さを見せており、2023年は4位入賞、2024年はシーズン中の予選最高位となる8番手を獲得した。
これについて大嶋は「予選でしっかりピークを出すことができた」と振り返ったが、「他のレースでも、予選に合わせきれてはいませんが、フリー走行中にすごくいいバランスになることも多かったですし、意外と手応えは感じています」と、リザルトに現れていない部分での成果を強調している。
トラックエンジニアは昨年から引き続き、かつてトヨタGAZOO RacingでWECのパワートレーンも担当していた木谷彬彦氏が務める。
また、昨年同様、現役のトヨタWECレースエンジニアであるライアン・ディングル氏も、全戦ではないがチームに帯同してサポートをするという。「去年もそれによっていい効果や、新しい知見もたくさんあった」と石浦監督。
「いろいろな会社さんだったり、エンジニアさんだったり、コラボレーションすることで広がっていくところもあるので、いろいろな取り組みをしながら、どうやって相乗効果を出せるかという部分にも、チームとしてトライしています。シーズン中にも、何か違う取り組みをするかもしれません」
大嶋もディングルエンジニア加入効果については「新しい情報も手に入ったし、実際にクルマにも生かされていると思う」とした上で、同時にトラックエンジニアとしての木谷氏も「すごい勢いで成長している」と信頼を寄せる。
「1台体制はちょっと辛い部分もありますけど、チームとしてはデータもどんどん溜まってきていますし、いまのエンジニアたちといろいろ工夫しながらやれているので、そんなにデメリットは感じていません」と、今年38歳を迎えるベテランは現在地をポジティブに捉えている。