東京地裁=東京都千代田区 脅迫罪に問われた被告の公判を巡り、起訴状に前科を記載したのは違法だとして、東京地裁は27日までに、裁判を打ち切る公訴棄却の判決を言い渡した。裁判官に予断を生じさせる内容は起訴状に書いてはならないとする刑事訴訟法の規定に違反したと判断した。
被告の女性(26)は昨年7月8日、交際相手の妻に、妻の長女の写真を刃物で切り付けた画像を携帯電話で送って脅したとして起訴された。検察側は起訴状に「被告はかねて脅迫罪で略式命令を受けていた」と記した。
25日の初公判で、熊代雅音裁判官は「前科の記載は必要性を見いだせず、裁判所に予断を生じさせる恐れがあり違法」と判断。起訴は無効として即日、公訴を棄却した。