2024年F1モナコGP シャルル・ルクレール(フェラーリ) 世界モータースポーツ評議会(WMSC)において、モナコ公国の象徴的なストリートサーキットを刷新する計画が承認され、モナコGPでは2025年からレース中にピットストップを最低でも2回行うことが義務づけられた。
この案は、F1で最も厳しいコースのひとつに新たな戦略的要求と予測不可能性を持ち込む手段として、今月初めのF1コミッションの会議に提出された。FIAのWMSCはルール変更を確定し、雨天でもドライでも、あらゆるコンディションにおいて最低2回のピットストップを義務づけた。
FIAは、声明で次のように述べた。
「WMSCは、モナコGPのレースの見応えを改善することを主な目的として、(ウエットとドライ双方のコンディションにおいて)2ストップ戦略の実施を義務づけることに関する提案を検討した」
「F1コミッションでの最近の議論を受けて、モナコGPではレースで少なくとも3セットのタイヤを使用することを義務づける特定の要件が承認され、ドライレースの場合は最低2種の異なるタイヤコンパウンドを使用することが義務となった」
■大胆な決断を下せるようになる可能性
何年もの間、このタイトで曲がりくねったモナコのコースレイアウトは予選王者を輩出してきたが、日曜日のレースでは、タイヤを労るマシンが列を作ってしまうことが多かった。
しかし今、チームはこれまでとは異なる展開に直面している。ピットストップの回数が増えることで、大胆な決断を下す余地が生まれることになる。ライバルを追い抜くために早めのピットストップを行ったり、最後のプッシュのために遅い段階でより新しいタイヤに交換したりすることが考えられる。雨天時には、モナコの魅力はしばしば混乱に変わるが、このルールはドラマを大混乱に変える可能性がある。
一言で言えば、これはモナコの伝統的な1ストップレースの単調さを打破するために計算された動きだ。純粋主義者は、モナコの魅力は戦略など関係なく、ミスが許されないその性質にあると主張するだろう。その一方で、華美な背景に頼りすぎたレースにとって、この義務はありがたい救いになると見る人もいるかもしれない。
FIAがショーの強化に力を入れているため、モナコの街では期待に見合うスリルが繰り広げられるかもしれないし、そうはならないかもしれない。いずれにせよ、5月下旬に予定されているモナコGPでは、新たな展開と、おそらくは大混乱も予想されることだろう。