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兵庫維新の会所属の県議が、政治団体「NHKから国民を守る党」代表の立花孝志氏(57)に非公開の情報を流出させていた問題。2月26日、同会派は所属県議の増山誠氏(46)を離党勧告、岸口実氏(60)を除名とする処分を発表した。
兵庫の斎藤元彦知事(47)の“パワハラ疑惑”などをめぐる内部告発文書問題に端を発した、昨年の県知事選中の出来事だった。知事選告示前の10月25日、内部告発を調査する百条委員会が選挙への影響を考慮して“非公開”で開かれていたが、その音声データを、当時委員だった増山氏が、告示日の31日に立花氏にLINEで提供したことを、2月19日放送のインターネット番組で本人が告白した。
データには、斎藤知事に対する告発を行った元県民局長の男性(昨年7月に死去)のプライベートな情報について、証人尋問を受けていた片山安孝元副知事(64)が発言する場面が収められており、これが立花氏によってSNS上で公開され、拡散していた。
岸口氏をめぐっては、11月1日、百条委員会のメンバーだった竹内英明元県議(今年1月に死去)が「(斎藤知事失職の)黒幕」だとする真偽不明の文書が立花氏に手渡された場に同席。文書は竹内氏に対する誹謗中傷の原因にもなったが、立花氏は“文書を岸口氏から受け取った”と主張。今年2月19日に日本維新の会が行った聞き取り調査で、岸口氏は「自分が手渡したと言われても反論のしようがない」と釈明していた。
そして、問題をめぐって2月23日に神戸市内で行われた会見で、増山氏は「録音データを外部に流出させたことはルール違反」と謝罪しつつ、「議員として県民の皆さまが知るべき情報をしっかりとお伝えしていくという使命」があったと主張。「(県民局長の私的情報は)かなりの確度で『確信』しております。私なりに信用のあるところから情報を得ている」とした。
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いっぽうの岸口氏は、「深い意図を持たずに立花党首にお会いした。軽率だったとしか言いようがない」と謝罪。文書が手渡された現場には民間人もおり、岸口氏の主体性が問われていたが、岸口氏は「その場で同席した以上、私から(立花氏に)提供したということで結構です」と述べた。
そんななか、問題の当事者の一人である立花氏は23日夜にYouTubeチャンネルを更新。維新幹事長の岩谷良平氏(44)が同日に増山氏と岸口氏の処分に言及していたことについて、「正義の告発じゃないんですか。いわゆる内部の情報を漏洩するというのは、まさしく内部告発ですよね。百条委員会がおかしな決定をし続けている。だから百条委員会が秘密にしたことを内部告発した。県民の皆さんにお伝えした。これは褒められることじゃないんですか。処分されることなんですか」と疑問を投げかけた。
続けて、「(党内の)コンプライアンスなんていうのは、法令順守であって、こんなルールはさすがに守らなくていいよ。違法でも犯罪でもないんだから。強い奴ら、多数派が作る、それがルール。弱い奴らは多少破ってでもその多数派たちをやっつけていく作戦を取らなきゃいけなんですよ」と主張。
そして、増山氏らが立花氏に情報を渡したことについて、「斎藤さんを守るためでもあり、何よりも兵庫県民に真実を知ってもらうためにやったんでしょ」とフォロー。その“真実”というのが県民局長の男性をめぐる私的情報だといい、立花氏は「他にもいっぱい情報くれたよ。兵庫県の、維新の会の3人だけちゃうねん。何度も言ってるけど」とも述べた。
立花氏は、斎藤氏について、失職するも再び県知事選で勝利した精神力を称賛。いっぽうで内部告発文書が明るみになって以降、関連する人らが亡くなっていることについて、「俺たちが叩いたから」と前置きし、こう発言した。
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「3人ほど亡くなったわ。そやけど、それはしゃあない。政治は戦いやねんて。負けた方は死んでいくねんて。ほんまはそら死ななくてええで。でも弱い奴はしゃあないやんか」
さらに、「誹謗中傷されたぐらいで死ぬんやったら最初から政治家なんか目指すな。公務員するな。迷惑じゃ。それぐらいのことを言える人じゃないとこれからの政治引っ張って行かれへんで」と主張した。
この発言箇所はXでも拡散しており、ユーザーからは《しゃーないで済まされるわけあらへん》《絶句した》と、騒然とする声が上がっている。
その後は、「維新の会どんどん落ちていくで。あんたら何のために選挙してんのよ。政治してんのよ。党のガバナンス聞かせるためか、党本部の言うこと聞く奴だけを守りたいんやろお前ら。ええ加減にせえよっちゅう話ですよ」と維新への批判も展開していた立花氏。
現在は27日に告示された千葉県知事選に出馬し、注目を集め続けている。
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