nwmアンバサダーに就任した斎藤工さん NTTソノリティは同社が展開するオープンイヤー耳スピーカー「nwm(ヌーム) GO」の発売に先駆け、俳優の斎藤工さんを起用したTV CM発表会を2月26日に開催した。TV CMでは斎藤さんがバンドの全メンバーに扮した演出となっている。
その他の画像はこちら●TV CMでは斎藤工さんが1人4役を演じる
斎藤工さん出演のnwmのTV CMは、3月1日から関東圏で放映予定。CMに登場するのは4人組ロックバンドのMIMISPIで、4人のメンバーはすべて斎藤さんが演じている。
それぞれのメンバーはnwmのDOTS、ONE、WIRED、そして新製品のGOを装着していて、楽器の音を出してもメンバーの声が聞こえて会話ができるオープンイヤー型耳スピーカーの特徴をアピールした内容になっている。
登壇した斎藤さんは「さすがに4役を演じたことはありませんが、出で立ちをプロフェッショナルな皆さんが作り込んでくれて、プロの技に乗っかるだけでよかったので楽しかったです」と撮影を振り返った。
nwmについては「オープンイヤーで音漏れがなく、耳にもフィットしてくれるので製品に興味を持ってくれるきっかけになったらいいなと思っています。耳スピは本当に耳にスピーカーがあるみたいで、革新的だと思います。やはり体験していただくと論より証拠です。」と語った。
発表会後半ではステージ上にMIMISPIメンバー全員が投影され、斎藤さんと共演するという演出で、トークを展開した。
TV CMは前述のように関東圏限定だが、YouTubeのnwm officialチャンネルでは発表会当日の26日からCM動画をアップしており、さらにメイキング動画や各メンバーそれぞれの動画も視聴可能だ。
●TV CMや体験会で耳スピの認知向上を目指す
発表会で登壇したNTTソノリティの坂井博代表取締役社長は、斎藤工さんの起用について「斎藤さんは俳優、映画監督、プロデューサーとして多方面で活躍されていらっしゃるだけでなく、音楽活動にも積極的に取り組まれていますので、音との親和性が非常に高い方です。さらに社会貢献活動にも熱心で、nwmが大切にしている共存、オープン、コミュニケーションという理念を体現されている方で、当社の思いと通じ合う存在と考えています」と語った。
ここ数年のオープンイヤーの動向について坂井社長は「2024年11月に実施した調査では、6割近くがオープンイヤーを認知していることが分かりました。2023年の調査と比較しても7%以上認知率が上がっており、注目度が上がっているのではないかと思います。しかし、実際に利用している人は、まだ15%程度しかなく、オープンイヤーを知らない、または使ったことがない人がまだまだ多いのが実情です」と述べた。
このような状況を踏まえ、耳スピシリーズの存在を消費者に知ってもらうためにTV CMの放映に至った。さらに同社ではCMで耳スピを知ってもらうだけでなく、体験できる機会の提供にも取り組む。
3月20日と21日の11〜19時は東京のアーバンドック ららぽーと豊洲ノースポートイベントスペース、3月29日と30日の同時刻には川崎のグランツリー武蔵小杉1階ピロティで耳スピ体験会を実施する。「音響デバイスに関心のある方だけでなく、ファミリー層やシニア層の方々にも広く知っていただく機会になると思っています」と坂井社長は体験会に対する抱負を述べた。
新たにnwm GOがラインアップに加わったnwmシリーズは現行製品で6アイテムになった。「デイリーユースからアクティブシーンまで、年代も利用シーンもあらゆる人が体験できるシリーズ展開になりました」。●ネックバンドタイプのnew GOを発売
改めてnwmについて振り返ってみよう。これまでのイヤホンやヘッドホンは、再生する音楽に没入するためのものだった。ノイズキャンセリングは、まさに外部の音を遮断してイヤホン・ヘッドホンから流れる音に没入する機能だ。
しかし、没入は時として歩行中に危険だったり、人からの呼びかけに気づかなかったりという弊害もある。NTTソノリティは没入ではなく、周囲の音との共存を目的としてこれまで複数のタイプの耳スピを発売してきた。
タイプとしては完全ワイヤレス、オーバーヘッドタイプ、有線タイプ、ネックバンドの4種類。いずれの製品も耳をふさがないオープンイヤー型で、すべての製品に同社の独自技術であるPSZ(Personalized Sound Zone)を搭載している。
PSZは音を閉じ込める技術で、原理はノイズキャンセリングと同じだ。前述のとおり、非オープンイヤー型のイヤホン・ヘッドホンではノイズキャンセリングで外部の音を遮断する。だが、「耳スピ」は耳をふさがないオープンイヤー型で、外部に漏れる音を抑えるところがノイズキャンセリングの原理は同じでも非オープンイヤー型とは大きく異なる点だ。
新製品のnwm GOはオープンイヤー型ワイヤレスネックバンド耳スピーカー。アウトドアやワークアウトなどのアクティブシーンに最適化したモデルだ。3月1日から予約を開始し、発売は3月18日。価格はオープンで、nwm公式ストアでの販売価格は1万6500円である。
nwm GOの本体重量は約20gと非常に軽い。ラウンド形状で柔らかいシリコン製のネックバンドが首の後ろ側に回り込んでフィット。激しい動きでも外れたりすることはなく、その軽さのため、使用していないときに首にかけておいても気にならない。スピーカー部は耳の上部に当たる位置にとどまり、耳をふさがないので周囲の音は自然な状態で聞こえる。
ドライバーの口径は12mmで、再生周波数帯は100〜2万Hz。Bluetoothのバージョンは5.3で対応コーデックはSBC/AAC/LC3/CVSD/mSBC。電池持続時間は音楽再生時に最大10時間。充電時間は約1時間15分だが、5分の充電時間で約1時間の再生が可能だ。
アウトドアでは土埃や雨などの環境下で使用することも考えられるため、防塵・防水性能は耳スピシリーズで最も高いIP55相当。ジョギングやジムでの運動時も気にすることなく使用できる。
本体の色はフォグブラックとグレイシャーホワイト、ソイルベージュの3色。いずれの色もアウトドアのファッションに馴染む色で、自然からインスパイアされた色を採用したという。
●nwm GOの装着性は申し分なく、動きのあるシーンでもしっかりフィット
発表会終了後にタッチ&トライでnwm GOを体験してみた。ネックバンドを首の後ろに回して装着すると、少し頭を振ったくらいではスピーカーの位置がズレたりすることはない。スピーカーも耳に当たっていることは分かるが、圧迫感はなく、当たっているなと分かる程度だ。
シリコン製のネックバンドは柔らかく、直接首に当たっても違和感はない。ケーブルと異なり、長く使っている間にネックバンドの幅が広がってしまうことはないのかと思ったが、担当者によると形状記憶合金が芯に入っていることと幅を広げたり、荷重をかけたりするさまざまな試験を行っているので、心配はないとのことである。
音質に関しては多少、中高音域が強調されている感はあるものの、ピーキーな印象は全くない。担当者によると、アクティブなシーンで使用することを想定して、若干派手めな音像に調整しているとのことだ。
これまでnwmの各製品を体験してきたが、やはり耳をふさがないオープンイヤーの音の聞こえ方は非オープンイヤーとは全く異なることを改めて思い知らされた。周囲の音が自然に聞こえるているにも関わらず、スピーカーから流れてくる音楽もしっかりと細部まで聞こえるのだ。
この感覚は、やはり体験してみないと分からないだろう。その意味で、同社がより体験の場を提供していこうという取り組みは納得できるものがある。
nwm GOは2024年11月に開催された新製品発表会の時点で披露されていた。しかし、そのときから改良を重ねてきたと坂井社長は話す。「昨年秋の発表会の時点ではまだモックの段階でした。アクティブモデルということもあって、より装着感を快適にするため、ネックバンドの形状や角度、素材の硬さなどに変更を加えています」。
また、本体の充電にはUSB-Cタイプのケーブルではなく、専用充電ケーブルを使用する。USB-Cタイプだとジャックがどうしても大きくなるため、専用の充電ケーブルを採用したという。
このところオープンイヤー型イヤホンの市場は拡大しているが、この状況について坂井社長に聞いてみると「各社がオープンイヤーを発売してきたことで、一般の方々が気づき始めたのではないでしょうか。また、複数台のイヤホンを持つ人も増えてきて、2台目需要が高まってきたという側面もあると思います」と話す。
nwmシリーズの製品拡充については「ラインアップが揃ったので、どれか合う製品を手に取っていただけることができるようになりました。今回のTV CMや体験会はもちろん、nwmのラインアップを集めたコーナーをつくっていだいている家電量販店もありますので、さらに認知してもらうための取り組みを進めていきます」と結んだ。(BCN総研・風間理男)