伝統の「甲子園文字」をフォント化 甲子園球場とモリサワの100周年共同プロジェクト「これからの100年に受け継いでいける」

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2025年02月27日 19:59  ORICON NEWS

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「甲子園フォント」お披露目式に出席した(左から)谷本修氏、森澤彰彦氏
 阪神電気鉄道が運営する阪神甲子園球場とモリサワによる100周年記念共同プロジェクト「甲子園フォント」のお披露目式が27日、阪神甲子園球場で開催された。職人の手によりスコアボードに書かれていた「甲子園文字」を、モリサワが実用に即してフォント化した。

【写真】日本一に輝いた年の阪神タイガース選手の名前が並んだスコアボード

 1934年に阪神甲子園球場の外野中央に完成した2代目スコアボードでは、1983年まで、職人が黒い板に毛筆で手書きをした文字を使用しており、その独特な字形が「甲子園文字」と呼ばれ、親しまれてきた。1984年にスコアボードが電光掲示板に改修されてからも、同球場の職員が、甲子園文字を踏襲した球場オリジナルの文字を作ることで、その伝統を受け継いできた。

 2024年8月に阪神甲子園球場が開場100周年、モリサワの創業者・森澤信夫らが、日本の出版・広告・デザインの発展に貢献した「邦文写真植字機」を発明して100周年を迎えたことを記念し、「甲子園フォント」を制作した。

 「甲子園フォント」は、「『甲子園文字』の伝統を次の100年に繋ぐ」というコンセプトのもと、より多くの人への読みやすさに配慮したUD(ユニバーサルデザイン)フォントをベースとして制作。縦画が太くコントラストの高いデザイン、筆の勢いを感じさせる「はらい」や「打ち込み」といった手書きの甲子園文字の特徴を検証。甲子園文字の筆書きニュアンスを取り入れながら、太さや文字サイズなどの調整を行い、ビジョンに表示された時も視認性を確保した明朝体として制作した。

 お披露目式には、阪神電気鉄道取締役の谷本修氏と、モリサワ代表取締役社長の森澤彰彦氏が登壇した。元阪神タイガースの真弓明信氏が登場する、甲子園フォントの開発の裏側を映したメイキング動画のダイジェストが上映された後、スコアボードに「甲子園フォント」で「甲子園」の3文字が表示された。続いて、場内放送係員のコールに合わせて、阪神タイガースの「日本一となった1985年、開幕試合のスターティングメンバー」と「2023年、リーグ優勝を決めた試合のスターティングメンバー」の名前が並んだ。

 谷本氏は「デジタル表示における甲子園文字が完成形となったことで、これからの100年にも甲子園文字を受け継いでいけることを、大変うれしく思っております」と喜び。森澤氏は「今後も長きにわたって『甲子園フォント』が野球ファンの皆さまに愛されるものになりますよう願っております」と語った。

 なお、「甲子園フォント」は3月4日のオープン戦(阪神タイガース対中日ドラゴンズ)から阪神甲子園球場のスコアボードで使用を開始する。

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