SARDが手にしたふたりのキーマン。脇阪寿一監督が語るフェネストラズと新エンジニア、そして今季大躍進の予感

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2025年02月27日 20:00  AUTOSPORT web

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2025スーパーGT富士メーカーテスト 脇阪寿一監督(TGR TEAM SARD)
 2025年スーパーGT GT500クラスを戦う準備を進めているTGR TEAM SARDには、関口雄飛のパートナーにサッシャ・フェネストラズが新加入。さらに、脇阪寿一監督とともにこれまで2度のタイトルを獲得した阿部和也エンジニアも合流し、強力な新体制で2025年シーズンに臨むことになる。

 今季のGT500でもっとも注目されるチームのひとつになるSARD、富士スピードウェイで行われているメーカーテストの現場にて、新体制を率いる脇阪監督に新体制へ向けた期待と抱負を聞いた。

■フェネストラズは「ものすごく真面目」。関口とのタッグは期待大

 2022年以来のシリーズ復帰となるフェネストラズ。SARDの2025年を占う重要人物の筆頭であるが、脇阪監督は彼と仕事を始めて間もないなかでも「レースに対してものすごく真面目に取り組むし、細かいことまできちっとしている」と、早くも好印象を抱いたようだ。

「フォーミュラEとかいろいろなところを渡って身に付いたものなのかもしれないですが、彼はスタッフに対しての接し方も丁寧な印象ですし、『彼のために何とかしよう』と思うような雰囲気を持っているんですよね」

「そこはやっぱりドライバーにとって一番大切な要素だと僕は思っていて、彼のために動きたいと思うスタッフがどれだけ多いかで、成績は変わると思います」

 SARDへの加入直後から、好印象を受けた様子の脇阪監督。さらにフェネストラズのその仕事ぶりはこれまでチームを引っ張ってきている関口雄飛にもいい刺激を与えているのだと続ける。

「関口はライバルが速ければ速いほど燃えるタイプで、いい刺激になると思います。(今年は)そろそろタイトルを獲りに行きたいし、GTは初めて組んだコンビでタイトル獲得というのが結構多かったりするじゃないですか。サッシャと関口は今のところものすごくいいコンビになっていますし、サッシャの存在によって関口のアグレッシブさもより目覚めるような気がしているんです。そこも非常に楽しみにしてますよ」

 こうして、うまく歯車が回り始めたSARDと脇阪監督。ここまでオフシーズンテストを進めてきたなかでも、その手ごたえを実感できているという。

「今のレベルまで上がってきたスーパーGTのレースで大事なのは、役割分担だと思うんですよ。タイムを出すにしてもクルマ側なのかタイヤ側なのか、さらにはドライバー側で何とかするところなのか」

「ましてや、そのレースに対して一発の速さを求めるのか、レースディスタンスの前半/中盤/後半、さらにその細かいレベルで分けたときにどこをターゲットにするか。そういった先のことを見据えながらクルマ作りができています」



■移籍前の「データがそのまま活きている」

 そして、さらに新しいピースも加わった。今季チームに加入した阿部エンジニアは、これまで脇阪監督とともに2度のタイトルを手にしている盟友だ。1度目は阿部エンジニアがまだメカニックだった2002年全日本GT選手権(JGTC)でESSO TOYOTA Team LeMansが走らせた6号車エッソ・ウルトラフロースープラであり、2度目は監督とエンジニアとして組んだ2019年スーパーGTにて、LEXUS TEAM LEMANS WAKO'Sとして6号車WAKO’S 4CR LC500だ。

 そんな阿部エンジニアとのコンビ復活に脇阪監督は「ようやくまた一緒になれた」と喜びを語る。

「阿部とはもう、彼がメカニックの頃から知っていますので信頼できていますし、(タイトルを獲得した)2002年も2019年も一緒なので、ようやくまた一緒になれたなというところですね」

 早速、阿部エンジニアとのコンビネーションに自信をのぞかせる脇阪監督。そこには、2月13日に岡山国際サーキットで行ったテストでの手応えも後押ししているようだ。

「去年まで阿部は(TGR TEAM ENEOS ROOKIEの)14号車を走らせてきたわけですが、この間の岡山のテストでも、SARDのクルマにこれまでの(14号車で阿部エンジニアが培ってきた)データが活きていました」

「今年のマシンはモノコックの交換なんかもありましたし、マシンの個体差の話が出たりもするなかで全然問題なく進められているところも非常にラッキーですね」

 阿部エンジニアを迎えた新体制の39号車は、変化を味方にスムーズに走り始めたとのことで、あとは「彼がやりやすいようにどうサポートできるかというところ」と脇阪監督は話す。体制変更の最初のハードルは、盟友とのコンビネーションで難なく乗り越えた様子だ。

 2024年は開幕戦岡山で2位表彰台、第7戦オートポリスで優勝を掴んで着実に調子を上げてきているTGR TEAM SARD。フェネストラズの加入でドライバーラインアップにふたりのスピードスターが揃い、新たにタイトル請負人として阿部エンジニアも加入し、タレント揃いのチームとなった。果たして今季、2016年以来の王座を掴むことができるだろうか。

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