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【写真】3期生の固い絆が感じられた乃木坂46・与田祐希の卒業コンサート
■卒業&休演メンバーの名前も読み上げた「ハルジオンが咲く頃」
始終、メンバーの笑顔と涙が繰り返された与田の卒業公演。筆者は配信で見守っていたが、ステージを見ながら、やはり現在のグループをけん引する3期生の絆を感じずにいられなかった。
ライブ前半、期別曲のブロックで3期生が披露した14thシングル表題曲「ハルジオンが咲く頃」は、間違いなくその象徴だった。
グループ全体の公演として3期生が初参加した「5th YEAR BIRTHDAY LIVE」でも力を合わせた楽曲の導入では、卒業公演の当日、すでに卒業していた大園桃子、阪口珠美、向井葉月、山下美月、さらに、スケジュールの都合でやむなく休演となった中村麗乃を含む、3期生全員の名前を与田が読み上げてから、パフォーマンスをスタート。
7人のステージを見て、加入当初に12人であった3期生も“ずいぶんと少なくなってしまった”と寂しさが募った。
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かつて同じグループを共にした仲間との絆が、途絶えることはない。サプライズとなったのは、当日に披露した2度目の「逃げ水」だった。
18thシングル表題曲としてのリリース当時、与田と共に“Wセンター”を務めた大園桃子が登場すると、客席では歓喜の声が上がった。無論、筆者も例外ではない。大園が登場した途端、ステージの様子をメモしながら見ていたPCの前で、思わず「お〜っ!」と声を上げてしまった。
大園が乃木坂46のステージに立ったのは、自身の卒業セレモニーが行われた2021年8月開催の「乃木坂46 真夏の全国ツアー2021」福岡公演以来。約3年半ぶりの“ステージでの再会”には、感極まるしかない。大園から楽屋で「『逃げ水』を守ってくれてありがとう」と言われたことを与田が明かし、意思を確かめるように見つめ合う2人の姿からは、表舞台で計れない絆も垣間見えた。
そして、与田の門出を見送った現役メンバーの1人、久保史緒里とも思いを分かち合った。涙をためて見つめ合う2人のステージは、こちらの目頭も熱くならざるをえなかった。
与田と久保が披露したのは、いもうと坂のユニット曲「言霊砲」だ。20thシングル「シンクロニシティ」の収録曲で、オリジナルメンバーは大園、久保、山下、与田であったが、この日を境にして、残るメンバーは久保のみ。この曲の間奏、壇上で「祐希、ついにこの日が来たね。頑張ったね」と声をかけた久保が「耐えたね」と語り、与田が「おたがいさまだよ」と返した一幕には、彼女たちに限らず、ここまでの8年半にあった3期生の波乱万丈の歴史が凝縮されていた。
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筆者の心には終演後の余韻が今なお残っているが、グループは進み続けている。与田の卒業公演を通して、その礎にある乃木坂46の温かさがはっきりと伝わってきた。4月にお披露目を迎える新加入の6期生にも、その空気はきっと受け継がれていくだろう。(文:カネコシュウヘイ)