「年収の壁」維新に協力要請＝自公、予算案採決に向け

　自民、公明両党は２７日、２０２５年度予算案の衆院採決に向け、野党と協議を続けた。所得税の課税最低ライン「年収１０３万円の壁」見直しに関する国民民主党との協議の頓挫を受け、日本維新の会と政調会長会談を開き、自公合意に基づいて課税最低限を１６０万円に引き上げる修正案への協力を要請。維新は持ち帰った。

　自公両党は来週前半の予算案衆院通過を目指しており、教育無償化に関する自公維合意などを反映した修正案を２８日に国会に提出したい考え。維新内には「壁」見直しに関する自公のみの合意に協力することに慎重論もあり、先行きは不透明だ。

　自公両党は２７日、立憲民主党とも政調会長会談を開催。立民が提案した総額約３兆８０００億円規模の修正案について協議したが、結論は出なかった。立民の重徳和彦政調会長は記者会見で、「高額療養費制度」の負担上限額引き上げ凍結を与党が拒めば、予算案の採決拒否もあり得るとけん制した。立民も２８日に修正案を提出する方針だ。