ソシエダの一部観客がラウール・アセンシオへ侮辱的なチャント…前半ATに試合が一時中断

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2025年02月27日 21:06  サッカーキング

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ソシエダ戦に先発出場していたラウール・アセンシオ [写真]=Getty Images
 コパ・デル・レイ(スペイン国王杯)準決勝ファーストレグが26日に行われ、レアル・マドリードは敵地でレアル・ソシエダに1−0と先勝したが、同試合の前半アディショナルタイム、レアル・マドリードのスペイン人DFラウール・アセンシオに対してスタンドから侮辱的な言葉が浴びせられた。

 今季のコパ・デル・レイにおいて唯一のホーム&アウェイ開催となる準決勝。ファーストレグはレアル・ソシエダの本拠地『レアレ・アレーナ』にて開催され、日本代表MF久保建英もフル出場した一戦は、19分に見事なカウンター攻撃からブラジル代表FWエンドリッキがゴールを奪い、レアル・マドリードが敵地で戦勝していた。

 だが、同試合の前半アディショナルタイムには、熱戦に水を差す残念な出来事が発生した。レアル・ソシエダが左サイドから攻撃に転じ、スペイン人MFアンデル・バレネチェアがドリブル突破を試みると、対峙したアセンシオはたまらずファウルでこの突破をストップ。その直後、『レアレ・アレーナ』のスタンド内一部エリアから、「アセンシオ、くたばれ」といった類のチャントが歌われた。

 スペイン大手メディア『アス』や『マルカ』等の情報によると、アセンシオにはスタジアム到着時から侮辱的な言葉が届けられており、試合がはじまってからも、ボールを持つたびに大きなブーイングも浴びていたという。もっとも、ブーイング程度であれば各国どのスタジアムでも飛び交うものではあるが、直接的に言葉を投げかけられる場面もあった模様。アセンシオは右サイドバックでプレーしたことから、右サイドのタッチラインを割ったボールを取りに行く機会も少なくはなかったが、近くにいる観客からも侮辱的な罵声を浴びせられていたことが確認されているようだ。

 このような背景を経て、バレネチェアへのファウルの後、アセンシオに対する「くたばれ」というチャントが歌われた。同試合でキャプテンマークを巻いていたブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールは、この行為を看過することなく、ホセ・マリア・サンチェス・マルティネス主審に伝えると、同主審の耳にもこのチャントはもちろん届いており、即座に行動を起こす。ヘイトに対するプロトコルとして定められている規約に則り、一時的に試合を中断。両ベンチのカルロ・アンチェロッティ監督、イマノル・アルグアシル監督に対して状況を説明した後、大型ビジョンにてヘイトをやめるように促すメッセージを表示させ、それらの文言が読み上げられ、チャントが鳴り止むまでは試合を再開させなかった。

 なお、アセンシオに対して侮辱的な言葉が届けられた理由について、『アス』や『マルカ』は同選手が過去に関与したことが疑われる児童ポルノ流布事件の影響を指摘している。2023年6月、アセンシオを含むレアル・マドリードのカンテラ(育成組織)に所属する4名の選手が、未成年を含む女性2人との性行為を無断で撮影し、それらを拡散したとして起訴されていた。アセンシオについては性行為ではなく、拡散に加担した罪に問われている状態で、現在も裁判は進行中。このような報道が出ていることで、アウェイのスタジアムではこの容疑をよく思わない観客から、侮辱的な言葉を浴びせられることがあったようだ。なお、『アス』や『マルカ』はこれらの野蛮な行為はあくまでも“一部”の観客の蛮行であることも強調している。

 試合後、レアル・マドリードを率いるアンチェロッティ監督は、アセンシオについて「彼はあのような状況下でよくプレーしてくれた。ヴィニシウスがレフェリーに警告し、レフェリーもすべきことをしてくれた。彼らの行動にも感謝したい」と発言。一連の騒動の後、試合はハーフタイムに入ったが、アセンシオはこのタイミングでピッチを後にした。アンチェロッティ監督はこの交代の理由を次のような言葉で説明している。

「彼は(罵声や侮辱的なチャントの)影響を大きく受けていた。騒動につながるファウルでイエローカードももらっていたし、交代させた。スタジアムであのようなチャントを歌われるのは、誰であろうと嫌な気分になるだろう」

 なお、既にレアル・マドリードは大会の運営側に一連の騒動を報告しており、レアル・ソシエダには罰金が科される可能性が高いと報じられている。


【ハイライト動画】レアル・マドリードがソシエダに先勝


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