「昭和100年映画祭」3・29「極道の妻たち」で岩下志麻がシリーズ27年ぶり舞台あいさつ

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2025年02月28日 05:01  日刊スポーツ

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『極道の妻たち』(C)東映

東映は27日、東京・丸の内TOEIで3月28日から5月8日まで開催の特集上映「昭和100年映画祭 あの感動をもう一度」2日目の3月29日に上映する、86年「極道の妻たち」の上映後、主演の岩下志麻(84)が登壇しての舞台あいさつを開催すると発表した。劇中で粟津組組長の妻環を演じた“志麻姐さん”の「極妻」シリーズ舞台あいさつの登壇は、ファイナルとなった98年の第10作「−決着(けじめ)」以来、27年ぶりとなる。


また、24年11月に同劇場で行われた「没後10年 高倉健特集 銀幕での再会」初日の同7日に行われた、81年「駅 STATION」(降旗康男監督)の舞台あいさつに登壇した、木村大作監督(85)が「昭和100年映画祭−」の趣旨に賛同。無償で製作に協力したプロジェクト予告編(90秒)が完成した。


きっかけは、東映が「高倉健特集」を契機に「昭和100年映画祭−」を企画し「昭和の映画のスケール感を伝えられるのは、木村大作監督しかいない」と予告編の製作を依頼したことだった。木村監督も、67年に及ぶ映画人生の中で昭和を代表する黒澤明、森谷司郎、深作欣二、降旗康男の各監督や高倉さんら、作品をともにした映画スターが鬼籍に入ってしまった令和の時代に「昭和の映画を語れるのは、もはや自分しかいない」と決意。スタッフや撮影所とのスケジュール調整やコスト交渉まで手助けし、わずか1週間で予告編を完成させた。


できあがった予告編は、ベートーベンの代表的な楽曲「運命」が流れる中で、上映作品のポスターが次々と現れる構成で、それぞれの名場面がポスターから浮かび上がるような映像となった。また、上映される「東京物語」「二十四の瞳」「男はつらいよ」に出演した昭和の名優・笠智衆さんの孫・兼三(51)が予告編ナレーションを担当した。28日から丸の内TOEIでの上映を皮切りに、映画会社の垣根をこえた展開を調整中だ。


「昭和100年映画祭−」は、丸の内TOEIが、東映本社の東映会館の再開発に伴い、7月27日に閉館し、約65年の歴史に幕を下ろす最後の直営館である同劇場で、今年が昭和100年にあたることを受けて、昭和の時代を彩った名作・ヒット作42本を一挙上映する。しかも、東映のみならず松竹、東宝、KADOKAWA、日活をはじめとした配給会社、製作プロダクション、出版社に協力を得て、配給会社の垣根を越え、当時記録的なヒットを飾った、もしくは輝かしい映画賞を受賞したなど「昭和」を代表する作品を一挙に上映する。


ラインアップは、極めて豪華だ。1935年(昭10)の「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」は、38年に、日中戦争で出征した中国で28歳の若さで戦病死した山中貞雄監督の作品。同じくラインアップに組み込まれた37年「人情紙風船」は遺作で、同監督の映画で、ほぼ完全な形で現存しているのは36年の「河内山宗俊」含め3本しかない。うち2本を「昭和100年映画祭」では見ることができる。


また、24年に没後10年を迎えた、高倉健さんの代表作の数々も上映する。中でも75年の「新幹線大爆破」は、高倉さんの12年の遺作「あなたへ」で共演を果たした草■(■は弓ヘンに前の旧字体その下に刀)剛(50)が主演し、再構築してリブートし、4月23日からNetflixで配信されることも話題を呼んでおり、注目だ。


さらに、24年に生誕90年を迎えた石原裕次郎さんが三船敏郎さんと共同製作し、初共演&ダブル主演した68年の映画「黒部の太陽」も上映。また、自身124本目となる最新作「てっぺんの向こうにあなたがいる」(阪本順治監督)の公開を今秋に控える、吉永小百合(79)の代表作の1本である62年「キューポラのある街」も上映。丸の内TOEIで、往年の日活スターの輝きも楽しめる。


東映は「昭和100年映画祭 あの感動をもう一度」に続き、丸の内TOEI閉館プロジェクト「さよなら丸の内TOEI」の開催も予定している。

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