プレミアリーグを戦うマンチェスター・シティ [写真]=Getty Images ラ・リーガのハビエル・テバス会長が、マンチェスター・シティをEU競争法に違反しているとして欧州委員会に提訴していたことを明かした。27日、イギリスメディア『スカイ』がコメント伝えている。
昨シーズンは前人未到のプレミアリーグ4連覇を達成するなど、ジョゼップ・グアルディオラ監督の下で黄金期とも謳われる成績を残し続けているマンチェスター・シティ。しかし、世界屈指の資金力を武器に数々のタイトルを獲得してきた同クラブだが、2023年2月にプレミアリーグから「多数の財務規則違反の疑い」があるとの公式声明が発表された。マンチェスター・シティ側は否定を続けていたものの、2009年から2018年までの9年間で財務規則違反の可能性を指摘された告発件数は合計115件。昨年12月には約3カ月に及ぶ審理が終了しており、独立委員会が下す判決結果に注目が集まっている。
そんななか、マンチェスター・シティの財務状況に関してテバス会長も別件で疑惑の目を向けていることが判明。同会長は昨季のプレミアリーグ王者を提訴していたと告白した。この訴えは2023年に提出されており、EU外の政府による企業への補助金がEU市場内の競争を歪めることを抑制する『外国補助規制』に関連した提訴である模様。マンチェスター・シティがUAEから補助を受け、それによって競争優位性を獲得し、EUおよび各国市場に重大な歪みを生じさせていると主張している。
テバス会長は、「彼らはどうすればルールや規制を回避できるかばかり考えている。我々は具体的な証拠と数字をもとにEUに訴えた。シティはイングランドのクラブでEUの一員ではないが、ヨーロッパで商業活動を行っているからだ」とコメント。「すべてのクラブが透明性のあるルールとガバナンスのもと、公正な競争を行うことが重要だ」と説明した。
また、ラ・リーガの主張によれば、マンチェスター・シティは市場価格を逸脱した形で資金提供を受けながら実現不可能な補強を行い、スポンサー収益も公正市場価格を超える水準で確保しているという。一方で同クラブはテバス会長が「長年にわたりクラブを攻撃している」と指摘しつつ不正の存在を否定、今回の申し立てに対するコメントを拒否したようだ。なお、今回のラ・リーガの提訴はプレミアリーグがマンチェスター・シティに対して行っている115件の財務規則違反の告発とは別件である。