実質約2万円、破格の縦折りスマホ「nubia Flip 2」を試す “閉じたまま操作”しやすく先代からの進化を実感

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2025年02月28日 11:31  ITmedia Mobile

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nubia Flip 2は縦方向に開いたり閉じたりできる折りたたみスマートフォンだ

 ZTEジャパンが2025年1月14日に発表した「nubia Flip 2」は、縦折りタイプのスマートフォンだ。国内MNOではソフトバンクがY!mobileで独占販売し、スマートフォンが高額になる中で、破格ともいえる価格で発売した。


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 Y!mobileオンラインストアにおける一括価格は8万5680円(税込み、以下同)だが、新規契約またはMNPで契約して料金プラン「シンプル2 M/L 」に加入すると、2万1600円引きの6万4080円で入手できる。さらに、「新トクするサポート(A)」を適用すれば、1〜24回の支払い総額が1万9680円(820円×24回)になる。


●そもそもZTEのnubiaとは? 前作のLiberoブランドの採用はなし


 nubia Flip 2と聞いても、ほとんどの人はピンとこないはずなので、ZTEのnubiaブランドについて少しおさらいする。


 nubia Flip 2はZTEジャパンが3月14日に投入した「nubia Flip」の後継機に相当する。ただ、nubia FlipはソフトバンクがY!mobileで2月29日に発売した「Libero Flip」をベースに設計されており、ZTEジャパンが後からオープンマーケット向けに投入した製品だった。


 nubiaはZTEが立ち上げたブランドではあるが、海外では2012年にZTEの子会社、Nubia Technologyとして独立。グローバルでスマートフォンを展開している。ブランドのコンセプトは、「Be Yourself(自分らしく)」となっており、個性に欠けている昨今のスマートフォンに新しい新しい息吹をもたらす、そんなことを目指すブランドだ。


 ZTEジャパンでは、ブランド認知の向上に向けて、イメージキャラクターに俳優の山崎賢人さんを起用。Y!mobile独占販売とはいえ、ブランドがnubiaとLiberoの2つに分かれるよりも1つに統一した方がユーザーに伝わりやすく、ブランド認知向上につながると考えたのだろう。


●本体を開かずにアプリをサブディスプレイに表示、PayPayの一発起動も便利


 まずはnubia Flip 2最大の特徴を見ていこう。


 nubia Flipでは丸形だったサブディスプレイがnubia Flip 2では長方形になったことで、さまざまなアプリを表示できるようになった。丸形のサブディスプレイも、時刻やカメラプレビューの表示に利用でき、ユニークさがあったが、PayPayなどのアプリ表示には非対応だった。


 縦長のサブディスプレイを搭載するnubia Flip 2では、本体を開かずにPayPayのコードをサブディスプレイに表示できるため、閉じた状態でも決済できる。


 手順としては、まず閉じた状態から生体認証(顔か指紋)でロックを解除。次に、ディスプレイを下から上に向かってスワイプすれば、ホーム画面にたどり着け、最後にPayPayを起動してコードを表示する。


 nubia Flip 2を使っていて特に便利だと感じたのが、アプリの一発起動ができる点だ。設定アプリ→「サブディスプレイ」→「アプリのダイレクト起動」の順に進み、PayPayを設定しておけば、サブディスプレイが消灯していても音量ボタンを素早く2回押すだけでPayPayを即時起動できる。


 試しに、顔認証を設定した上で、アプリのダイレクト起動という機能を設定してみたところ、音量ボタンの2度押しだけですぐに顔認証が行われ、PayPayを起動できた。ロック解除の後にスワイプとアプリ起動の手間を省けるため、人が列に並ぶレジ前で、わざわざ本体を開いてPayPayを探して、コードを表示して……という煩わしさはない。


 このサブディスプレイで使えるアプリとしては、PayPayの他に、カメラ、電話、天気、Google カレンダー、アラーム、タイマー、レコーダー、電卓、メッセージ、あんしんフィルター、Y!mobileメールがプリセットされている。ただし、好きなアプリをサブディスプレイで表示できるように後から追加できる。


 サブディスプレイで使用できるアプリを追加するには、設定アプリ→「サブディスプレイ」→「サブディスプレイアプリ」の順に操作し、「体験アプリ」の項目から追加したいアプリを選ぶだけでいい。


 例えば、Yahoo! JAPAN公式アプリではYahoo!ニュースのトピックスをスクロールしやすいし、Xのような縦方向に情報が流れるアプリの場合、一度に多くの情報を表示できないが、片手でスクロール操作しやすい。


 YouTubeの再生も可能で、インナーディスプレイで扱えるYouTubeアプリをそのままサブディスプレイで操作できるイメージだ。ただ、サブディスプレイがインナーディスプレイよりも小さい分、サブディスプレイでは再生位置のバーをタップしづらく、調整しづらい。


 ただ、文字のサイズやアプリアイコンのサイズは変更できないため、人によっては見づらいだろう。また、戻る/ホーム/タスクといったAndroidスマートフォンではおなじみのボタンは表示されず、最初はどのように操作すれば1つ前の画面に戻れるのかが分からなかったが、画面縁の左から右へスワイプすれば1つ前の画面に戻れ、下から上へスワイプすればホーム画面に戻れた。慣れていけば問題はないが、初心者は戸惑う点だ。


 開いた状態で使用できるインナーディスプレイは、約6.9型の有機EL(1188×2790ピクセル)を搭載。黒色を基調としたダークモード、白黒で表示する読書モード、画面が黄色みがかり、ブルーライトを低減する夜間モードも利用できる。


 スマートフォン初心者の人や、複雑な操作が苦手な人に向けて、文字やアイコンを大きく表示し、よく使う機能だけを分かりやすく配置することで、簡単に操作できるようにするシンプルなホーム画面も利用できる。


●アウトカメラは超広角カメラがないものの、折りたためる構造ならではの使い勝手も


 折りたたみスマートフォンでは、アウトカメラの使い勝手も一般的なストレートタイプのスマートフォンとは違う。ここからは、nubia Flip 2のアウトカメラの作例と使い勝手を確認する。


 アウトカメラは約5000万画素のメインカメラと約200万画素深度測定カメラで構成されている。このうち、メインカメラはF1.59の明るいレンズを採用している。その実力を東京駅前で確認した。


 nubia Flip 2は超広角カメラを備えていないため、ワイドな画角の写真は撮影できない。カメラアプリを見ると、「x1.0」のすぐ横に「x2.0」のボタンがあり、超広角カメラを搭載したモデルでよく見る「x0.5」「x0.6」のボタンはない。


 皇居側から東京駅舎に向かって撮影したところ、x1.0とx2.0は昼と夜ともにそこそこきれいに撮れる。特にx2.0では、明るい昼なら離れた場所からでも東京駅舎の奥にあるクレーンまでを鮮明に捉えた。夜景はどちらも不鮮明になりやすく、何となく東京駅舎だと分かる程度だった。


 とはいえ、折りたたみスマートフォンの真骨頂といえるのが、カメラアプリの使い勝手だ。本体をくの字型にして机上などに置けば、アウトカメラで捉えた自分の姿をサブディスプレイに表示させながら自分撮りをできる。三脚が不要なのも折りたたみ構造の魅力だ。その際、バイバイやピースなどジェスチャーをすることで、ディスプレイに触れずにシャッターを切れる。約3200万画素のインカメラでもジェスチャーによる撮影が可能だ。


●パフォーマンスを「Geekbench 6」で確認 ゲーム用途は厳しいか


 スペックとしては、メインメモリが6GB、内蔵ストレージが128GBとなっており、microSDは搭載できない。OSはAndroid 14をプリインストールし、プロセッサにはミッドレンジモデル向けのMediaTek Dimensity D7300Xを採用している。


 ベンチマークアプリ「Geekbench 6」をインストールし、パフォーマンスを見たところ、結果はシングルコアスコアが4年前に発売されたミッドレンジ向けプロセッサExynos 2100搭載の「Galaxy S21 FE 5G」におよんでいないものの、ハイエンド向けプロセッサSnapdragon 860搭載の「Xiaomi Poco X3 Pro」を上回る結果に。マルチコアスコアが2951とGalaxy S21 FE 5Gを下回りが、ミッドレンジ向けプロセッサExynos 1380搭載の「Galaxy A54 5G」を上回る結果となった。


 ハイエンドモデルではないため、プロセッサに負荷のかかるゲームなどには向かないが、先述したPayPayで買い物をしたり、Webブラウザや地図を閲覧したり、YouTubeの動画を視聴したり……といった一般的な使い方なら問題はなさそうだ。


●リアルタイムAI通訳機能が使えるアップグレードに期待 nubia Flip 2はおサイフケータイ対応の破格折りたたみ


 今回は試せなかったが、便利機能としてリアルタイムAI通訳機能も用意しており、リアルタイムで文字起こしもできる。11言語が対応しており、LINEなどのアプリ通話も録音や通訳ができる。この機能は2025年3月以降に実装される予定だ。


 総括すると、nubia Flip 2は、本体を開かずにPayPayなどのアプリが扱えるサブディスプレイも旧モデルからの大きな進化ポイントで、ストレートタイプでは体験できない使い勝手を求める人、ミッドレンジモデルで一般的な使い方をしたい人に向くスマートフォンだ。


 IP42等級の防塵(じん)・防滴性能を持ち、おサイフケータイにも対応しつつ、Y!mobileでの購入で出費を抑えられるのも大きい。nubia Flip 2の登場とともにソフトバンクがY!mobile向けに打ち出した新トクするサポート(A)の適用により、1万9680円でnubia Flip 2を利用できる。「高い……」と思われがちな縦折りスマートフォンに破格のイメージを植え付けられるか見物だ。



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