茂木健一郎 “人格の使い分け”に悩む相談者に脳科学の視点でアドバイス「客観的に観察してみて」

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2025年02月28日 19:10  TOKYO FM +

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茂木健一郎 “人格の使い分け”に悩む相談者に脳科学の視点でアドバイス「客観的に観察してみて」
脳科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00〜22:30)。
TOKYO FMとJFN系列38局の音声配信プラットフォーム「AuDee(オーディー)」では、当番組のスピンオフ番組「茂木健一郎のポジティブ脳教室」を配信中です。この番組では、リスナーの皆様から寄せられたお悩みに、茂木が脳科学的視点から回答して「ポジティブな考え方」を伝授していきます。
2月22日(土)の配信では「“先輩・後輩”のスイッチの切り替え」に関する相談に答えました。


パーソナリティの茂木健一郎



<リスナーからの質問>
社会人2年目になり後輩ができましたが、後輩としての自分と、先輩としての自分のチャンネルが上手く調整できないときがあります。どちらかが偽の私というよりかは、どちらも自分で演じているチャンネルのような感覚です。

会う人に合わせてペルソナ(人格)を使い分けることは自然なことだとは思いますが、先輩と後輩がいるときにバグが起こってしまうので、解決方法があるか一緒に考えていただけると嬉しいです。

<茂木の回答>
社会人2年目ということは、社会人としての経験値は1年分ですよね。経験値は今まさに積み上げられている最中ですので、その時点で先輩・後輩のペルソナを使い分けられたら、それはすごいことです。なかなか最初からはできないことだと思います。

脳の動きを見ていくと、ペルソナのスイッチングは尾状核(びじょうかく)というところでおこなわれていると考えられています。前頭葉を中心として、先輩として振る舞うときは先輩の脳の使い方、後輩のときは後輩の脳の使い方と、脳の回路がいろいろと切り替わっていくのですが、そのスイッチングは尾状核がしています。

すべては経験で、経験することでできるようになっていくんですよ。だから経験値が少ない今、バグが起こってしまうのは当然です。

1つのヒントとしては、オブザーバー(観察者)になってみることをおすすめします。他の先輩と後輩が一緒の場で、どういうことを言っているか、どういうふうに振る舞っているかなどを客観的に観察していると、それが人工知能のようにビッグデータとなり、あなたの脳のなかに蓄積されていきます。そうすると、徐々に自分の役割が見えてくると思うんです。よく「メタ認知」と申し上げていますが、先輩の役割・後輩の役割を客観的に見るメタ認知の能力を発達させることで、自然にスイッチングができるようになると思います。

ただ、あなたのメッセージからは、言葉の使い方が非常に巧みだなということが伝わってきますので、自信を持ってください。言葉の力は、先輩・後輩としての役割を担うためにもとても大事なものなので、言葉をますます磨いていただいて、ぜひ前向きにポジティブに頑張っていただけたらなと思います。

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音声版「茂木健一郎のポジティブ脳教室」
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<番組情報>
番組名:茂木健一郎のポジティブ脳教室
配信日時:毎週土曜 22:30配信(予定)
パーソナリティ:茂木健一郎

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