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岩手県大船渡市で発生した山林火災は焼失面積がさらに広がり、平成以降の林野火災としては最大となった。避難指示が出ている地区には立ち入ることができず、発生日の2月26日から避難所で2晩を過ごした市民もいる。鎮火の見通しが立たない中「我が家」の現況を案ずる声が聞かれた。
「昨日は『今のところは火災を免れている』と。しかし、その後、風向き次第では危ないと聞いた」。避難所に身を寄せる女性(73)はそう不安を口にした。
女性の自宅があるのは、大船渡市三陸町の綾里白浜地区。火災が発生した26日、同居する母、弟とともに乗用車で避難所に指定されている三陸公民館に向かった。避難者が多く、建物内に入ることを諦め、車で一夜を明かした。寒さで「足が氷のよう」と思った。
発生から3日目となる28日は敷地内のテントが割り当てられ、一息ついたが「情報はあまりない。火災の状況も分からない」。我が家の様子が分からず、焦燥感は募る。
同じ地区から避難した男性(75)も、やはり自宅がどうなっているか確認できていないという。「(地区外の)『あの家が燃えた』『この家が燃えた』と聞くとね」とつぶやいた。【釣田祐喜】
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