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「1月末から、中国人が春節により世界中を大移動しています。これにより危険視されているのが、ヒトメタニューモウイルスがばらまかれるということ。今、中国の国内では、この感染症が大流行しているんです」(全国紙記者)
世界中にウイルスがばらまかれたら――。新型コロナウイルスの悪夢が記憶に甦る。
中国人観光客に“マスク警察”が出動
「2025年は過去最高の延べ90億人の中国人が地域をまたいで移動したといわれています。当然、多くのインバウンドが来日し、観光地の人たちは戦々恐々としていました」(同・記者、以下同)
そもそもこの聞き慣れない『ヒトメタニューモウイルス』とは何なのか。
「2001年にオランダで発見された、飛沫や接触感染で拡大するウイルスです。その点においてはインフルエンザと同様。インフルと違うのは、まだワクチンや特効薬が開発されていないこと。そのため、コロナと同様の危機を心配している自治体が多いんです」
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未知のウイルスを怖がるあまりに、国内各地でトラブルも起きているという。
「ノーマスクの中国人観光客を見かけると取り締まるというような“マスク警察”が多く“出動”しているとか。そのため、対人トラブルに発展する事例が増えています」
過敏になる気持ちはわからないでもないが、ある医療ジャーナリストは、
「正直言ってヒトメタニューモウイルスは、ただの風邪のようなもの。ワクチンが開発されていないのは、インフルやコロナほど致死率も重症率も高くないからです。WHO(世界保健機関)も中国国内の感染増加について“(冬の)この時季に想定される範囲内だ”という声明を出しています」
そう言って人々の不安を和らげるが、具体的にはどのような症状が出るのだろうか。
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感染者の症状と身を守る方法
「ほとんどの感染者は、せき、発熱、鼻づまりといった症状が出ます。少数ですが、肺に影響を及ぼして呼吸すると笛のような音が出る喘鳴(ぜんめい)や、呼吸器疾患が見られる場合も。
このウイルスに最も弱いのは、2歳未満の子ども、高齢者、進行がんの患者などの免疫力が低下している人々です。当てはまるご家族がいる方は十分に用心したほうがいいでしょう」(医療ジャーナリスト、以下同)
身を守る方法は?
「これはもう普通の風邪と同じく免疫力を高めるしかない。よく食べて、よく寝て、ストレスをためないこと。水分をたっぷりとることなど当たり前の予防法しか言えません。
それでも心配な方は、可能な限り人混みを避けたり、マスク着用、手洗い、うがいの徹底をするほかない」
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感染症自体は大した影響力はないのかもしれない。しかし、インフルエンザの蔓延で悲鳴を上げている医療現場に新たな感染症が持ち込まれたら――。