チューリップ賞に出走するマイエレメント(撮影:下野雄規) 今週の日曜日は、阪神競馬場でチューリップ賞(GII・芝1600m)が行われます。
過去10年のチューリップ賞は前走で4着以内に好走していた馬が10勝2着8回3着9回と良績を残しています。
過去10年のチューリップ賞は桜花賞と同じ阪神芝1600mが舞台となっています。本番と同じコースであることから、桜花賞を見据える多くの実力馬や素質馬が出走してきます。当然、レースやメンバーのレベルは高くなりますので、その中で上位争いを演じるには高い能力や確かな素質が必要不可欠と言えます。
前走で5着以下に敗れている馬は、能力の底が割れている場合が多いため、ハイレベルなチューリップ賞では苦戦傾向にあると言えるかもしれません。前走5着以下の馬でも馬券に絡むチャンスがないわけではありませんが、確率はかなり低いですし、馬券の中心としては前走4着以内と堅実に走っている馬の方がいいかもしれません。
ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。
【条件】
前走3番人気以下で5着以下
[0-0-0-27]複勝率0%
該当馬:ウォーターガーベラ、クリノメイ、サウンドサンライズ、ザラタン、スリールミニョン、プリンセッサ、マイエレメント
(過去の該当馬:23年ドゥーラ1番人気15着、19年メイショウショウブ3番人気9着)
※特に言及のない限り、データは過去10年間を対象にしています。
上位人気が予想されるマイエレメントが該当しました。
前走5着以下だった馬で馬券に絡んだのは21年エリザベスタワー、18年マウレア、16年ラベンダーヴァレイの3頭。この3頭はいずれも前走で2番人気以内の支持を集めていました。人気馬は他馬からのマークが厳しくなりタフな競馬となります。そのため、道中での消耗度が大きくなり、本来の力を出し切れていない可能性があるので見限るのは早計と言えそうです。
しかし、前走5着以下でそのレースで3番人気以下だった馬には好走例はありません。2番人気以内の馬と比べると他馬からのマークもそれほど厳しくないですし、その中で結果を残せていないのは能力が劣る証拠とも言えます。
該当馬に挙げたマイエレメントの前走はアルテミスSに出走し、4番人気で5着という結果に終わっています。重賞で5着ならば上々の結果と言えそうですが、前走のアルテミスSで1、2着だった馬は阪神JFで完敗。3着のショウナンザナドゥは阪神JFで4着と掲示板を確保していますが、年明けに出走したクイーンCで9着と苦戦しており、対戦メンバーを見るとレースレベルには疑問が残ります。
しかも、前走はスタートで出遅れているようにゲートにも課題が残るタイプです。前走後のコメントから新馬戦の時からゲートに不安があったようで、アルテミスSではさらに不安が大きくなっていたようです。
過去10年のチューリップ賞での傾向や、自身のゲート難などから人気ほどの信頼はしづらい印象です。また、当初はシンザン記念に出走する予定でしたが、除外になりローテーションが変更された影響も心配されるところですし、今回は様々な観点から割り引く必要があるのではないでしょうか。
重賞レースの参考に、是非お役立てください。