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今回は、50代のうちにやっておきたい老後の家計管理についてです。
Q:50代からやっておきたい家計のことって
「60代になったら、できるだけ年金だけで生活したいのですが、50代のうちに見直したほうがいい家計のことってありますか?」(会社員・59歳)A:家計を小さくしておきましょう
まずは年金生活になった時、どんな生活をしていくかをイメージすることが大事です。50代から生活費や暮らしのダウンサイジングに取り組み、定年後の暮らしに向けた計画をしていきましょう。生活費を削減するうえで一番大切なことは、お金の使い方に優先順位をつけて、何に使ったかわからないお金(使途不明金)をなくすことです。使途不明金を見つけだすためには家計簿が効果的。ただ収支の記録をつけるだけではダメで、定期的に見直さなければ意味がありません。
100均などで買ったノートに手書きしていくのもよいですし、スマートフォンの家計簿アプリなどであれば、カメラでレシートを読み込むことで手軽に家計簿がつけられます。いらない支出をあぶりだすと、貯金も増え、気持ちもすっきりして生活が楽しくなります。
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その他にも、家の中に何があるのか把握して、新しいものを買わずに生活する方法があります。昔買ったものが、収納の奥に新品同様で眠っているかもしれません。買取店にもっていけば、お小遣いになることもあります。
家計の見直しで一番有効なのは何といっても固定費の削減です。通信費・スマホ代は、格安SIMへ乗り換えも検討しましょう。また、子どもが独立したのに多額の死亡保険に入っているなど、ムダな保険料を支払ってることがありますので保険は真っ先に見直してみてください。
住宅ローンがある場合は、年金生活に入る前に、可能であれば繰り上げ返済や借り換えを検討して、無理のない範囲で完済する努力をしてみましょう。ただ、貯金がなくなってしまい不安になる人もいるので、自分はどうしたらいいのかを慎重に考えてみてください。
持ち家であれば、長い老後のために、リフォーム費用も用意することになります。賃貸であれば、家賃の支払いが続きますので、収入に応じて住み替えをしながらダウンサイジングしていきましょう。
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最後に、今まで、どう生活したら幸せを感じたかを振り返ってみることも大事でしょう。お金をかけなくても、楽しく生きていくことが大事だからです。また、年金生活になったら、身体に負担にならない程度の収入を得ることは大事です。資格が必要であれば、50代のうちから、資格取得のために勉強することもいいかもしれません。
監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)