限定公開( 4 )
動画配信サイト「ニコニコ動画」を運営するドワンゴ(東京)が、動画上にコメントが流れる機能の特許をFC2社(米国)に無断で使われたとして、機能の利用停止と賠償を求めた2件の訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は3日、ドワンゴ側勝訴とした2審判決を支持し、FC2社の上告を棄却した。FC2社の敗訴が確定した。
ニコニコ動画には利用者が入力したコメントが動画上に流れる機能があり、ドワンゴはこれに関して複数の特許を日本で取得。FC2社が運営する「FC2動画」でコメント機能が無断で使われたとして、侵害されたとする特許ごとに、2016年と19年にそれぞれ提訴した。
特許の独占使用権が保護されるのは取得した国の中に限られ、国外には及ばないという原則がある。
FC2社はサーバーを米国に置いているため、この原則をどう捉えるかが訴訟の争点になった。
2審の知財高裁は22年7月の判決で、サーバーがある場所だけでなく、FC2動画のコメント機能を「実質的、全体的に考察する必要がある」と指摘した。
|
|
その上で、機能は日本の利用者に向けられているとして、FC2社がドワンゴの特許権を侵害したと認定。FC2社側に利用停止と計1億円の賠償を命じた。
もう1件の訴訟でも知財高裁は23年5月、「機能の効果が得られる場所を考慮すべきだ」とし、FC2動画の機能で日本の利用者がコミュニケーションを楽しんでいることを理由に特許権侵害を認定。利用停止と約1100万円の賠償を命じていた。【巽賢司】
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 THE MAINICHI NEWSPAPERS. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。