初のAI本格活用アニメ「ツインズひなひま」、3月末から地上波放送 配信も多数

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2025年03月03日 22:41  ITmedia NEWS

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「ツインズひなひま」(C)KaKa Creation/ツインズひなひまプロジェクト

 アニメイト傘下のフロンティアワークス(東京都豊島区)とAIを活用したアニメ制作事業を手がけるKaKa Creation(東京都目黒区)は2月28日、全編でAIを活用した新作アニメ「ツインズひなひま」の地上波放送が決定したと発表した。MBSで3月下旬から放送する。


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 クリエイターの負担軽減を目指し、本編の全カットでAIを補助ツールとして活用したアニメ。最終的には人の手で加筆修正を行うことでクオリティーを担保しつつ、“髪の毛がなびく”シーンなど従来は制作工数などの観点から表現が難しいとされていた表現も実現するなど「AIならではの映像表現」を目指した。


 制作にあたっては、元ボカロPでAIとCGの技術に詳しいUltra-Noob氏をテクニカルディレクターに、生成AI初期から活動している852話(hakoniwa)さんをAIパイプライン開発者として迎えた。


 実際の製作では、3DCGソフトの「Maya」で作ったモデルを、AIに取り込み出力(i2i)することで、CGの“ポリゴン感”をなくしつつ手書き修正の手間を省いた。こうした効率化により、例えばアニメ1話分をAIで用いて制作した場合、掛かるコストと期間は従来の3分の2に短縮でき、キャラクターの色塗りなどの一部作業は将来的に10分の1になるとみている(参考:デジタルハリウッド東京本校ブログ)。


 一方でAI出力には著作権の問題も切り離せない。両社は経済産業省の「AI事業者ガイドライン」や弁護士のアドバイスをもとに、現在の著作権の枠内で展開する点をアピール。AIをクリエイターを補助するツールとして活用する手法を「サポーティブAI」と称し、その考え方を訴求していく考えだ。


●バズりたい双子の女子高生が主人公


 ツインズひなひまは、バズることを夢見る双子の女子高生「ひまり」と「ひなな」が、アクセスが伸びそうなネタを片っ端から撮影していく中、妙な”異変”に気づいたことから、おかしな世界へ足を踏み入れていくというストーリー。ひまり役をアニメ「ひみつのアイプリ」で主人公を演じた声優の平塚紗依さん、ひなな役はアニメ「推しの子」で星野ルビーを演じた伊駒ゆりえさんが担当する。


 地上波では、3月29日の深夜3時38分からMBSで放送予定。翌30日からTVerやABEMAなど20を超えるプラットフォームで配信する。


 また3月15日から20日まで新潟県で開催される「新潟国際アニメーション映画祭」でのプレミア上映も決まった。同映画祭では、KaKa Creationの飯塚直道CEO兼プロデューサーがフォーラム(日報ホール、17日12時から)に登壇し、一部本編映像の先行公開を交えながらAI使用について報告する予定だ。



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