「エクストレイル」とアート作品がコラボ? 日産の狙いとは

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2025年03月04日 08:01  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
日産自動車がSUVの「エクストレイル」とアートを融合させた体験型イベント「THE DRIVE-THRU MUSEUM」を開催した。横浜の街中に点在するアート作品をエクストレイルの車窓から観賞するという内容だったのだが、同イベントを開催した日産の狙いとは? 取材してきた。


どんなイベント?



「THE DRIVE-THRU MUSEUM」はエクストレイルを通じてアートと街の魅力を引き出すことを目的とした体験型イベントだ。



本イベント開催のため、日産は国内外の3名のアーティストとコラボレーションを実施。エクストレイルを「走る美術館」に見立て、横浜を試乗しながら3つのアート作品を鑑賞するという上質かつ新しいアート鑑賞のスタイルを提唱した。試乗体験をより特別で上質かつ楽しいものとするため、オーディオガイドには声優・俳優として活躍する津田健次郎さんを起用する徹底ぶりだ。


エクストレイルはイメチェンの真っ最中?



新たな体験価値の提供や日産のお膝元である横浜の魅力発信など、イベントの意義は十分に理解できるのだが、その上で日産としては何を訴求したかったのか。日産のチーフ・マーケティング・マネージャーである寺西章さんに話を聞くと、「エクストレイルで我々がアピールしたい魅力をもう1度知っていただきたかった」との回答が得られた。



エクストレイルは初代モデルが登場して以来、「SUVらしくタフで力強いクルマ」というアイデンティティを25年間にわたって継承してきた。そのため、エクストレイルには「アクティブ」「タフ」「アウトドア」という昔ながらのイメージがある。



しかし、2022年にフルモデルチェンジして登場したエクストレイルの4代目モデルは、DNAである「タフギア」は継承しつつも上質さを加え、第2世代「e-POWER」や電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」などの最新技術を搭載している。エクストレイルは今、「タフギア×上質」なクルマへとイメージチェンジを図っているのだ。


エクストレイルが新たに手に入れた上質さや高級感といった部分に、あらためて注目してもらうためにはどうすればいいのか。考えた結果、生まれたのが今回の「走る美術館」というコンセプトだったというわけだ。


「エクストレイル」のアピールポイントは?



日産が「THE DRIVE-THRU MUSEUM」で訴求しようとした「エクストレイル」のアピールポイントは3つある。



まずは静粛性。エクストレイルが搭載する第2世代「e-POWER」は、エンジンの存在感をなるべく感じさせない工夫が施されている。例えば、エンジンが起動する頻度を極力減らしたり、エンジンを動かさなければいけない場面でもロードノイズなどに紛れてこっそり回したりすることで、静粛性を実現している。



今回のイベントでは、アマンダ・パーラーさんの作品「Fantastic Planet」の前を通る際に口笛が流れるギミックが採用されていた。実際に体験した津田さんは「エンジン音はほぼ聞こえないに等しかったです。口笛もそんなに大きい音ではないのですがしっかりと聞こえてきたので、本当に静かなんだと思いました」とエクストレイルの静粛性を評価していた。


次は走行性能だ。



ウェイド アンド レタ夫妻が手がけた「Mixed Signals」は、日本の道路標識をモチーフにしたユニークな作品で、大胆な絵柄や表現力豊かなフォルムが魅力になっている。そんな作品を車内から鑑賞すれば、見る角度や視点ごとに一瞬一瞬で変化していくアートの魅力が余すところなく楽しめるわけなのだが、これをサポートしてくれるのが電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」だ。



クルマを運転している時には、ブレーキを強く踏んでしまって前につんのめってしまったり、カーブでスピードが出すぎて体が横に振られてしまったりなど、クルマが想定とは異なる動きをすることがある。「e-4ORCE」は、そんな想定外の動きにつながりそうな挙動が見られた場合にそれを検知し、前後の駆動用モーターと四輪のブレーキをそれぞれベストなタイミングで制御して、クルマの姿勢が崩れることを賢く防いでくれる技術だ。


最後はデザイン性だ。



松村咲希さんの作品「The CARnvas」の魅力を「力強さと優雅さが共存する独特な表現」と評した寺西さん。この点に、エクストレイルが掲げるデザインテーマ「タフギアと洗練の融合」との親和性を感じたという。


日産の寺西さんは同イベントについて、「普段は何気なく見ていたものでも、違う視点や角度で見てみると全く気づいていなかった新しい魅力を発見することはあると思います。『エクストレイル』をはじめとした日産車においても、そんな視点であらためてその魅力に触れていただければ嬉しい限りです」と話していた。



安藤康之 あんどうやすゆき フリーライター/フォトグラファー。編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。 この著者の記事一覧はこちら(安藤康之)

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