チョコザップ会員、店の掃除を“お手伝い” コスト削減だけじゃない意外な効果

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2025年03月04日 08:21  ITmedia ビジネスオンライン

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チョコザップが「サポート会員制度」を本格導入(ライザップグループ提供)

 ライザップグループが展開する24時間セルフジム「chocoZAP」(チョコザップ)が2月から、「サポート会員制度」を本格導入した。サポート会員制度とは、会員に空いた時間で店舗の清掃やメンテナンスなどを行ってもらい、その回数や内容に応じて月額料金の割引といった特典を提供するものだ。


【画像】チョコザップのサポート会員、何をする?


 サポート会員制度には、店舗運営のコスト削減や運営側の負担軽減だけでなく、意外な効果もあるという。ライザップグループの広報担当者に話を聞いた。


 サポート会員には、「フレンドリー会員」と「セルフメンテナンス会員」の2種類がある。フレンドリー会員はフロアやトレーニングマシン、トイレなどの清掃や、備品の補充を行う。チョコザップ側は、会員の活動頻度に応じて、月額料金を割引する。


 セルフメンテナンス会員は、トレーニングマシンの不具合対応や修繕、電気系統の確認といった作業を行う。担当する内容が、フレンドリー会員よりも専門性が高いことが特徴だ。チョコザップ側は、会員の対応件数に応じてギフト券を提供する。1月20日時点で、フレンドリー会員は3万2620人、セルフメンテナンス会員には6332人が登録している。


 サポート会員制度を導入した背景には、チョコザップが従業員が常駐しない無人店舗であることが挙げられる。店舗に従業員がいないため、マシンの故障や不具合を運営側が検知しづらく、迅速な対応が難しかった。また、トレーニングをする会員は着替えや靴の履き替えが不要であるため、マシンや床などに傷や汚れがつきやすいという問題もあった。


 そこでチョコザップは、会員に店舗運営の一部を委託するサポート会員制度を考案。2022年から首都圏の一部店舗で試験導入を行ってきた。「試験導入では、作業にかかる時間や謝礼の方法などを検証しました」(広報担当者)。制度の仕組みが確立したことから、今回の本格導入に至ったという。


●サポート会員制度の思わぬメリット


 サポート会員制度を導入するメリットとしては、まず店舗運営にかかるコスト削減が挙げられる。広報担当者は「それまで外部に委託していた清掃や修繕作業が不要となり、その分低価格でサービスを提供できるようになりました」と説明する。


 思わぬ効果だったのが、会員の定着につながることだった。「サポート会員になり特典を受けるためには、定期的に店舗に通う必要があります。こうした中で、会員様の中に『私が行ってお店をきれいにしなくては』『マシンの調子を確認しなくては』といった、店舗への愛着や使命感が生まれ、長く通っていただくことにもつながっています」(広報担当者)


 サポート会員制度の課題は、清掃やメンテナンスの質を、いかにコントロールして一定にするかだ。広報担当者は「例えば、きれいかどうかの基準や感覚は人によって異なります。こうした人によってのバラつきをどう改善するかが課題です」と話す。


 対策として、チョコザップはサポート会員が作業後に送る活動報告に、写真添付を必須としている。これにより、作業のやり残しや、特典目当てで作業をやっていないのに申告することを防いでいる。「その他、誰でも分かりやすいマニュアルの整備も行っています」(広報担当者)。コスト削減だけでなく、会員の定着にも一役買っているチョコザップのサポート会員制度。店舗の質を保つだけでなく、ファン作りという面でも効果があるようだ。



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