東京地裁=東京都千代田区(AFP時事) 正当な権限がないのに旅行会社の預金口座を解約して現金約1400万円をだまし取ったとして、詐欺罪などに問われた被告の女性(52)に対し、東京地裁が無罪判決を言い渡していたことが4日、分かった。判決は2月21日付。
女性は2017年8〜12月、旅行会社「日韓国際」(東京)の代表取締役に選任されたとする虚偽の登記をし、同社名義の2口座を解約して現金計約1416万円を詐取したとして起訴された。
福家康史裁判長は判決で、同社側が17年8月、業務運営に必要な代表印や通帳などを女性に交付し、その後半年以上返還を求めなかったと指摘。「業務運営を委ねたことが強く推認され、『会社から依頼されて代表取締役に就任した』という女性の供述は否定できない」とした。
その上で、代表取締役として女性に口座解約の正当な権限がなかったとは言えないと認定。起訴内容には合理的な疑いが残り、犯罪の証明がないと結論付けた。