“あおり運転”してきた白い箱バンが後ろから追突、若い男性の運転手が警察に捕まるまで

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2025年03月05日 09:21  日刊SPA!

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※画像はイメージです
 ニュースなどで頻繁に取り上げられる「あおり運転」。被害者の精神的苦痛は深刻であり、トラウマにもなりかねない。
 自動車損害保険を扱うチューリッヒ保険の『2024年あおり運転実態調査』によれば、あおり運転をされたことがあるドライバーは72.5%であった。2023年の53.5%よりも大幅に上昇し、半年間でも24.1%と多くのドライバーがあおり運転に遭遇していることがわかった。

 今回は、あおり運転に遭い、“もしものこと”を考えるとゾッとしたという2人のエピソードを紹介する。

◆衝突してきた白い箱バン

 日野真理さん(仮名・30代)は、通い慣れた田舎の一本道を車で走っていた。バックミラーを見ると、後ろの車が蛇行運転をしていたという。

「白い箱バンで、運転手は若い男性でした。センターラインがオレンジなので、私を抜かせなくてイライラしているのか、車間距離を詰めたり離したりしてきました」

 日野さんの前方には他の車もおり、たとえ日野さんが道を譲ったとしても状況は変わらない。そんな中、白い車は、わざと蛇行運転を繰り返した。

 いくつかの交差点を抜け、“ギリギリ赤になる手前”で走り抜けると、白い車は赤信号で止まったそうだ。しかし、日野さんも次の信号が赤だったため、止まる羽目になってしまった。すると……。

「白い車があっという間に追いついてきて、私の車にぶつかってきたんです」

 驚いた日野さんは、衝突の衝撃で運転席のガラスに頭を打ちつけてしまったという。

◆2人だった警察官が7人に増えて…

 日野さんは車を脇に止め、警察に連絡したうえで白い車のドアを叩いた。あおり運転の運転手は、

「すみません、大丈夫すか?」

 と聞いてきた。

「私が、『何とか』と答えて、“警察を呼んだこと”を伝えると、意外にも素直に謝ってくれたんです。ハンドルを握ったら性格が変わるタイプなんだろうと思いながら、車から降りて確認すると、運転席側の後部がタイヤにめり込んで、ドアが変形していました」

 日野さんは、「よく車が動いたな」と感心したと同時に、もし助手席側だったらガソリンタンクがどうなっていたのか……とゾッとした。

 警察官2人が到着し事情を説明したのだが、「相手の車も一緒に確認してほしい」と言われ、車に近づいていくと……。

「車の中からシンナーのニオイがしました。ふと気づくと、警察官が7人に増えていたんです。そして、警察官たちは、男性を取り囲んでやり取りをしていました」

 警察官が「ねえ、やった? 何かやってるよね?」と尋ねると、「何もやってないっすよ」と返していたのだとか。

 その後、男性の車はレッカー車で運ばれ、男性自身も警察へ連れていかれたという。

「私はというと、事故後30分くらいしてから頭が痛くなったんです。念のために救急外来に行き、その後は数カ月間、整形外科に通うことになりました」

◆何気なく抜いた車が後ろにピッタリとついてきて…

 田中美雨さん(仮名・40代)は、片側一車線の道路を走っていたときに“あおり運転”に遭遇した。

「いつものように穏やかなペースで運転をしていましたが、前の車が急に止まってしまいました。『何かあったのかな?』と思いながらも、その車を追い抜いたんです」

 何気なく追い抜いた田中さんだったが、その瞬間から車が後ろにピッタリとくっついてきた。

「最初は偶然だと思っていました。だんだんとその車の距離が縮まり、気づけば完全に“あおられている”とわかったんです」

 その車は、車間距離をギリギリまで詰め、何度もクラクションを鳴らしてきたという。途中、周囲に車や人がいないことを確認しながら、田中さんはウィンカーを出さずに右折や左折を繰り返した。

「ダメなことはわかっていたんですが、あおり運転の車を振り切るにはその方法しか思いつきませんでした。でも、その車はずっとついてきて、完全に“ターゲット”にされていることを確信しました」

 自分があおり運転されるとは思ってもみなかった田中さん。次第に恐怖がわいてきた。

「10分くらいあおられたと思います」

 すると、信号待ちをしていた際に、田中さんは“あること”に気づいた。

◆“もしも警察署がなかったら”と思うとゾッ

「ナビを確認したら、近くに警察署があることがわかりました。何かがあってからでは遅いので、思い切って警察に連絡して、あおり運転のことを報告したんです」

 警察からは、「駐車場で待機するので、そこに入ってきてほしい」と言われたそうだ。その言葉を聞き、田中さんは警察署に急いで向かったという。しかし……。

「あおり運転の車は警察署を通り過ぎていきました。私は警察に車のナンバーを伝えました」

 警察署の敷地内には、3人の警察官が待機してくれていた。田中さんは状況を報告し、やっと落ち着くことができたようだ。

「警察署に逃げ込んだことで、あおり運転から逃れられましたけど、警察署が近くになかったらと思うと“ゾッ”とします」

 この出来事を通じて、「危険な事態に遭遇しても冷静に対応することが大切だ」と改めて感じたという。

 自己中心的な運転が思わぬ事故につながってしまうのだ。私たち一人ひとりが交通ルールを守り、周囲に配慮して運転する必要がある。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

このニュースに関するつぶやき

  • そういう運転には当たり屋してもいいという道交法改正が必要。何もしない無能議員の倭国。
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