
内閣総理大臣として奔走を続ける石破茂首相。組閣の着こなしが「だらし内閣」と揶揄されたり、食事や外交のマナーに批判の声が上がったりと不安定な滑り出しだったものの、少しずつ世間に受け入れられている様子もうかがえる。
NHKの世論調査によると、内閣発足時から徐々に下がっていた内閣支持率も、今年1月から上昇の兆しが。2月の調査でも、1月よりもさらに5%増やした44%の支持率となっている。
同調査では、2月の「内閣不支持」率が35%だったことも判明。不支持を上回る支持率を集めて軌道に乗り始めたイメージもある石破内閣だが、新たな火種となりそうな話題が注目を集めている。
老後資金から税金をとるな
「石破首相は、3月5日にひらかれた参議院の予算委員会で、退職金の税制について“適切な見直しをすべきだ”との見解を述べました。現行の制度では、同じ会社で長く勤務すればするほど、退職金にかかる税金の控除額が大きくなる仕組みです。
しかし、これに対しては“雇用の流動化を妨げる”との意見もあり、税制を見直す動きが。石破首相も“答えは出ていない”としつつも、“雇用の流動化というものは、賃金の上昇というものと合わせて図っていかねばならない”などと話していました」(全国紙政治部記者、以下同)
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この発言に対し、世間からは反発する意見が続出。
《頑張って長い間働いて、退職金は政府にとられる。マジでやってられない》
《老後に資金が必要とか言いながら、老後の資金から税金とるんだ……》
《どれだけ搾り取ったら気が済むの? まずは無駄遣いをなくしてから言ってくれ》
と、怒りの声が相次いでいる。
「2019年の金融庁の報告書がきっかけで話題になった『老後2000万円問題』も記憶に新しいですが、最近では老後資金として『5000万円』が必要になるのではないかという報道も増えています。そんな状況で退職金への増税がおこなわれたら、国民の反発は避けられないでしょう」
実は、退職金の課税についてはこれまでにも議論がされてきた。2023年6月に政府の「税制調査会」が同制度の見直しを提言したものの、当時の岸田文雄内閣は改正を見送りに。その後、昨年11月にも「2025年度からの改正」はいったん見送られたものの、議論は継続中。今回の石破首相の発言からもわかるように、大きい方針としては改正に向かって進んでいるようだ。
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生活に大きな影響を与える税制の改革。国民の声を取り入れながら、納得感のある議論を進めていってほしい。