
昨年4月に「web Sportiva」で公開した「種牡馬適性分布図」。今年も、最新版を公開いたします。
今年はさらにパワーアップし、昨年の50頭から倍の100頭で作成しました。かなりのボリュームアップとなり、スペースの関係から種牡馬の配置は苦労しましたが、何とか違和感ないくらいに作成することができたかと思います。
図を見るのが初めての方もいらっしゃると思いますので、あらためて「種牡馬適性分布図」についてご説明します。作成した経緯などは昨年の記事にて説明しましたので、よろしければお読みいただけたらと思います。
日本には多くの種牡馬がいますが、短距離向き、長距離向き、芝向き、ダート向きなど、産駒の特徴は異なります。その特徴を"見える化"したら便利だろうと思って作ったのが、この「種牡馬適性分布図」です。お酒などでよく見るチャート図を種牡馬の適性に当てはめたものです。
今回掲載のデータは、2024年のJRAサイアーランキング100位までの種牡馬を対象に、今年2月9日までのJRA全成績の勝利距離の平均と、芝、ダートの勝利数の比率を基に種牡馬を配置。地方や海外で顕著な実績を残している馬については、補正を加えています。
|
|
例えば、分布図の上のほうに名前があるオルフェーヴルは、芝での勝利の比率が約58%なので当初は真ん中より右に位置していましたが、マルシュロレーヌ、ウシュバテソーロ、ショウナンナデシコなど海外や地方のダートで実績を残した馬が多いことから、真ん中寄りに移動しました。ちなみに、障害の勝利は平均距離に大きな影響を与えるので除外しています。
種牡馬は系統別に色分けしています。サンデーサイレンスなどの「ターントゥ Turn-to 系」(緑)は芝寄り、「ナスルーラ Nasrullah 系」(ピンク)は短距離やダートに極端なタイプが多いなど、系統ごとの大まかな系統もわかりやすいかと思います。
この分布図を頭に入れておけば、レースの予想はもちろん、POG馬や共有クラブの出資馬選びにも役に立つかもしれません。種牡馬の傾向は変化することもあり、毎年、新しい種牡馬が登場してラインナップも変わるので、分布図は更新していこうと考えています。