2024年10月、ahamoが高速データ通信容量を20GBから30GBまでに増量したことをきっかけに、他社もサブブランドを中心にデータ通信容量を次々と増量。30GBで3000円前後の攻防が続いている。
その一方、楽天モバイルは「Rakuten最強プラン」で一貫して「ギガも通話(アプリ)も無制限」をうたっている。大量のデータ通信、頻繁に電話を利用するユーザーには大いに魅力的であることは間違いない。
ただ、本当にデータ通信も通話も無制限で使えるのか。また、かつて「つながらない」と評されていたことも気になって、楽天モバイルへの乗り換えに踏み切れない人もいるだろう。
そこで、今回は楽天モバイルの“無制限”を改めて検証してみる。料金は全て税込み。
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●Rakuten最強プランになってデータ通信も通話も無制限に
楽天モバイルの料金プランは、Rakuten最強プランの一択だ。データ通信料金が、3GBまでは月額1078円、20GBまでは2178円、それ以上はどれだけ通信しても3278円という段階制の定額プランで、スマホ単体でのデータ通信はもちろん、テザリングも無制限で利用できる。ただ、海外ローミングの利用は1カ月2GBまでという制限がある。
通話料金は、「Rakuten Link」というアプリを使えば国内通話がかけ放題。また、海外でも対象国と地域からであれば、日本国内へは無料で通話できる。Rakuten Linkはダウンロード無料、利用料も無料なので、国内通話と一部海外から国内への通話が無料でかけ放題ということになる。
エリアもほぼ無制限になった。「Rakuten UN-LIMIT」の時代は、パートナー回線(au回線)を利用した通信は1カ月5GBまで、それを超えると1Mbpsに速度制限されていたが、Rakuten最強プランになって、それらの制限もなくなった。ユーザーは楽天モバイル回線、au回線を意識することなく、無制限でデータ通信ができ、楽天モバイル回線が行き届いていない場所(地下街や屋内施設、繁華街など)は、全国に広がっているau回線でサポートされている。
●公平のための速度制御、無料通話は一部対象外番号がある
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楽天モバイルは、国内ならデータ通信が無制限というのは確かといえる。ただ、何事にも例外はあるもので、データ通信は、混雑時など公平なサービス提供のため速度制御をする場合がある。具体的な容量、通信速度は明記されていないし、通信自体ができなくなるわけではない。SNSやWebサイトを利用したり、動画を視聴したりといった通常の使い方をしている限り気にする必要はないだろうが、完全に無制限だとはいえない。
通話にしても、OS標準の電話アプリを使って発信した場合は30秒22円の通話料金がかかる。無料になるのはRakuten Linkアプリを使って発信した場合だ。また、Rakuten Linkを使っても、「0570(ナビダイヤル)」から始まる電話番号や、「188(消費者ホットライン)」「171(災害伝言ダイヤル)」「#8139(JAF ロードサービス救援コール)」などへの通話は無料通話の対象外となり、通話料金が発生する。Rakuten Linkアプリの通話も完全に無制限とはいえない。
●場所によってはつながりにくい場合も
エリアやつながりやすさについても注意しておきたいことがある。パートナー回線がつながりにくい場所をカバーしているとはいえ、エリアについてはまだ弱い場所がある。ビルの中でつながりにくい、地下鉄、地下街でつながりにくいという声は、よく耳にする。
楽天モバイルは2023年10月に、つながりやすいプラチナバンド(700MHz帯)の割当を受け、2024年6月に商用サービスを開始した。しかし、開始当初に東京世田谷区にプラチナバンドの基地局を設置したという情報は出たものの、それ以降は楽天モバイルから具体的な基地局数の発表はなく、プラチナバンドの基地局が続々と設置されているという印象がないのも気になるところだ。
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楽天モバイルは2024年、Opensignalの通信品質調査で評価が急上昇し、契約数も2024年12月時点で830万回線になった。喜ばしいことだが、契約者数が増えてくると回線が混雑して速度が落ちる可能性もある。その対策として、楽天モバイルは、Sub-6GHz帯を使った5Gの自社回線エリアを充実させている。せっかくのデータ通信無制限、快適なネットワークで堪能し続けたいものだ。
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