
サンデーモーニングでご意見番を務める上原浩治さん(49)が、日本時間2月27日にボストン・レッドソックスの吉田正尚(31)を直撃した。名門レッドソックスと言えば、上原さんは2013年のワールドシリーズ制覇へ大きく貢献、日本人メジャーリーガー初のワールドシリーズ胴上げ投手となった。上原さんは、日本人だけでなくレッドソックスにとっても、まさにレジェンド。当然、共に戦った当時の選手やスタッフから熱烈な歓迎を受けた。少しだけ仕事を忘れ、懐かしい雰囲気を楽しんだあと、「(上原さんは)レジェンドですから」と吉田にいじられながらインタビューは始まった。
【写真を見る】上原浩治さんが直撃取材 ! メジャー3年目、レッドソックス吉田正尚の“メンタル術”「できることだけに集中する」
上原浩治さん:右肩の状態ですが、どうですか?
吉田正尚:バッティングは100%の力で(バットを)振れる。投げる方は短い距離を2日おきに投げて状態を確認しながらやっています。
上原:トレーナーからは思っていた以上に大きな手術だったと聞きましたが?
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吉田:そうですね、手術する前に注射も含めて色々やりましたし、実際(肩を)開けてみないと、中がどうなっているかわからないというところで手術をやってみて、リハビリを去年の10月から地道にやっていました。
上原:リハビリ中は気持ちも落ち込むと思いますが、何をプラスに変えてここまでやってきましたか?
吉田:手術は初めてではなかったし、手術をしたあと強くなって帰ってくることができた。そこに関してはネガティブにはなりませんでした。
「不安要素を克服すれば、強くなれると信じる」と、大きな手術でさえ進化の糧にする。それも不安を押し殺して無理矢理にではなく、ごく自然に。逞しい後輩スラッガーの姿に上原さんは感心。その後、話題はオフから絶えることのなかったトレードの話に。
上原:移籍の噂などは気にしますか?
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吉田:あまり気にはしないです。メジャー1年目が終わった後にもすぐトレードの話が出たので、そういうものなんだなというか。メンバーも毎年、それこそ毎日変わるくらいなので、そこに関しては日本の時とは感覚が違うかなと思います。
上原:なるようになるしかないという感じ?
吉田:(移籍は)僕がコントロールできることではないし、自分は毎日ベストを尽くすことしかできないので、そこまで深く考えていないです。
メジャーの辛口なファンや地元メディアが、応援、批判を色々言ってくる中、噂話を全く気にしないのは難しい。それでも「自分のできることを把握し、とにかくできることだけに集中する」そうやって吉田は、雑音をシャットアウトしてきた。「不安要素を克服すれば、強くなれると信じる」、「とにかくできることだけに集中する」。これこそ吉田流のメンタル術。3年目を迎えたメジャーリーグ、さらに1年後には連覇のかかるWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が待っている。先月、キャンプ地を訪れた侍ジャパンの井端弘和監督(49)からは「勝負強いし、打点も稼げる」と評価された吉田。2023年WBC準決勝のメキシコ戦で飛び出した同点スリーランは、吉田流のメンタル術が生み出した一発だったのかもしれない。
吉田:日本代表はやはり特別な場所ですし、プレーした選手にしかわからない緊張感や責任感など色々ある。自分の気持ちとしては選ばれるところにいるというのが大事。やはりトップレベルにいないと入れない場所だし、自分が入りたいといって入れる場所ではない。一番はレッドソックスで結果を出すっていうのが最優先だと思います。
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