※画像はイメージです 毎日の通勤や移動で利用する電車やバス。その乗客のなかには信じられない迷惑行為をする人もいる。
今回はそんな電車内での迷惑行為の被害者となったユイさん(仮名・28歳)に、そのトラブルの一部始終を語ってもらった。
◆電車内での信じられない迷惑行為
これは数年前、ユイさんが通勤していた際の電車内での出来事だという。
「その日は天候が悪かったこともあり、駅に停車するごとに乗車率が上がっていって、普段よりも混み合っていました。私はなんとか電車に乗り込みましたが車内中程には行けず、仕方なくドア付近に立っていたんです」
事件はユイさんが乗車して次に停まった駅で起こった。
「ドアが開いた際に降りる人がいないかと思って車内を確認していたところ、ホームから勢いよく入ってきた女性にいきなりドンッと押され、私はよろけて電車の床に倒れてしまったんです」
◆押してきた女性、反省の色はナシ
急に見知らぬ女性に押されてしまったユイさん。
「びっくりしてしばらく動けなかったのですが、『邪魔なんだからとっとと立ちなさいよ!』という声がしました。何とか立ち上がって声の主を見ると、40代後半くらいの派手なオフィスカジュアルの女性でした。私を押した人です。
思わず『何するんですか!危ないじゃないですか!』と文句を言ったところ、『フン!あんたがチンタラしているのが悪いんでしょ』と全く反省の色はなく…。
謝るように抗議しても、『私はまったく悪くないわよ。ただ邪魔だから押したのよ』、『どんくさいのが悪い』、『私は代表して場所を空けただけ』と言い返される始末。最終的に『ごーめーんーなーさーいーねー!これでいい?』と一切誠意のこもっていない言葉だけの謝罪をされ、嘲笑われました」
◆その後も周囲の乗客にやりたい放題
女性の自分勝手な行動はさらにエスカレート。
「近くに立っていた私くらいの年齢の女性に『あんたも邪魔よ!もっと車内に詰めて!』とぐいぐい押していました。
自分はというとバッグを前に持つといった配慮もせず、肩にかけて幅をとっているし、さらに濡れた折り畳み傘をきれいに畳まずにいたんです。近くにいた女性のスカートに傘の水滴が垂れていて、濡れてしまってかわいそうだと思ったのを覚えています」
目に余る迷惑行為の数々。その後も電車が揺れて自分に少しでも体重がかかると大きな舌打ちをしたり、『もっとちゃんと立っていなさいよ!』と周囲の乗客に絡んだりしていたという。
「ただでさえいつもより混み合っている車内だったので、女性の行為にストレスを感じた人が多かったと思います」
◆周囲の乗客から“意趣返し”を食らった中年女性
まるで漫画やドラマに出てくる“絵に描いたような悪役”的言動をする中年女性。ユイさんはまともな謝罪も得られずモヤモヤしていました。
「一連の出来事に『こんなに自己中で悪びれもしない人間がいるのか』と唖然として、私は最終的には何も言えなくなってしまいました。それでようやく終着駅に到着して、乗客が全員一気に降りるタイミングでも、その女性は相変わらず人を押しのけて強引に前に進もうとしていたんです。
しかし、近くにいた大柄な男性がそれをガードし、逆におばさんが転んでしまいました。『何するのよ!謝りなさいよ!』と痛そうに膝をさすりながら叫んでいましたが、周囲の人たちは『そこにいると邪魔ですよ!』、『さっさと立ち上がって!』と言われていました。
たぶん、先ほどの私とその女性のやりとりを見ていて腹を立ててくれていた人が、意趣返しとして言ってくれたんだと思います。
大勢の人が降りていく流れもあったので、私も転んだ女性を横目にさっと降りてしまいましたが、心の中はスッキリしていました」
まさに因果応報。ユイさんの溜飲も下がったようだ。
――公共交通機関である電車やバスには、さまざまな性格や価値観の人が乗り合わせるためトラブルが後を絶たない。まさか自分が迷惑行為する側にならないように、細心の注意を払いたいものである。
(取材・文=十六夜瑠奈/A4studio)
【十六夜瑠奈】
編集プロダクションA4studio(エーヨンスタジオ)所属のライター。グルメ、音楽、エンタメ、サブカルチャー全般に興味がある。文化を分析、執筆することへ情熱を注ぐ。好きな食べ物はお茶漬け。