岩手県大船渡市で起きた山林火災で、市は9日、延焼の危険性がなくなる鎮圧状態になったと明らかにした。火災発生から12日目にして、火がほぼ消し止められた。市は避難指示についても10日午前10時に全面解除した。避難生活を続けていた住民からは安堵(あんど)とともに今後の生活再建を心配する声が聞かれた。
避難指示解除を受けて自宅に戻るため、軽トラックに荷物を載せていた三陸町綾里の50代男性は「やっと解除になって良かった。消防のおかげで、感謝しかない。(避難生活は)我慢するしかなかった。自宅は(焼けずに)あるみたいだが、電気は止まっているそうだ。冷蔵庫の掃除をしなければいけない」と言った。
同じ地区の60代の女性は「今回の避難は東日本大震災の時よりも長く感じ、地獄のような日々だった。これからは家が焼けてしまった人たちの生活再建が一番大切で、こうした人たちがこの地域から離れてしまわないか心配だ」と話した。
山林火災の影響で2月末から臨時休校していた赤崎小と綾里小が10日、赤崎小で合同で授業を再開した。被害の大きかった三陸町綾里の状況はまだ詳しく分かっておらず、避難指示が先に解除された赤崎小の校舎を一緒に使う形となった。
両校の児童は休校時、別の学校で学習支援を受けるなどしていた。10日午前、両校の児童たちは体育館で顔を合わせた後、ゲームをして交流し、歓声を上げていた。【工藤哲、釣田祐喜】
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