子どもの成績がなかなか伸びない。注意してもどこか上の空で話を聞いていないい、ときには反抗してきたり……。そんな悩みを抱える親御さんにぜひ手に取ってほしい一冊が、シリーズ累計33万部を突破したベストセラーバウンド (著), 茂木秀昭 (監修)『こどもロジカル思考 なぜ論理的に考えることが大切なのかがわかる本』(カンゼン)だ。
異文化コミュニケーションを専門とする茂木秀昭氏が監修した本書は、カラフルな図解と具体的な事例を交えながら、近年注目されている自分の頭で論理的に考える「ロジカル思考」の基礎がわかりやすく解説されている。
本書によれば、そもそも「ロジカル思考」とは、ものごとを整理し、筋道を立てて考えること。人が生きていく上で直面するさまざまな問題を解決していくための必須スキルだ。これを身に付けることで、自分の感情やバイアスにとらわれずに、ものごとの本質を深く理解することができる。
本書では、ロジカル思考の基本的なエッセンスから、実際に活用できる考え方の公式まで、幅広く紹介している。なかでも基礎となるのが「三角ロジック」という方法だ。これは誰かを説得するようなときに、ただ「〜したい」「〜してほしい」と言うのではなく、主張・データ・論拠の三点を意識して伝えること。たとえば、子どもが親に「お小遣いを増やしてほしい」と相談するとき。ただ単に「お小遣いを増やして」(主張)と伝えるよりも「クラスメイトの平均額よりも低い」(データ)、「欲しい文房具が買えず、勉強に集中できない」(論拠)といったかたちで整理して伝えれば、説得力は増していく。こうしたロジカルな伝え方は、学校生活や課外活動など、さまざまな場面に応用することができるのだ。
そんなロジカル思考は、学校の勉強にも大きな効果をもたらす。論理的思考力が求められる数学や国語はもちろん、暗記ものとされがちな歴史の学習でも活用することができるという。たとえば、歴史の年号をただ暗記するのではなく、ロジカル思考によって、その出来事が起こった原因と結果の因果関係を把握することで、より本質的な理解が深まっていくのだ。
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本書ではロジカル思考の基礎に加えて、「MECE(モレなくダブりなく考える)」や「WHYツリー(なぜを繰り返して本質に迫る)」といったフレームワーク(思考の枠組み)も紹介されている。どれも社会に出てからのビジネスシーンでも大いに役立つスキルだ。子どもの頃から問題解決能力や相手に伝える力に磨きをかけることで、将来の可能性は大きく広がっていくだろう。
子どもには自分の考えをしっかり持ち、意見を相手に伝えられる力を身に付けてほしい——そう願う親は多いかもしれないが、ただ単に「もっと考えなさい」「勉強をしなさい」と伝えるだけでは、論理的思考力はなかなか育むことはできない。日常会話のなかで「どうしてそう思うの?」「他にどんな考え方がある?」などと問いかけをすることで、子どもがロジカルに考える習慣もできてくるはずだ。
本書にはそんな親子の対話のヒントもふんだんに詰まっていて、子育てに悩む親御さんにとっても、多くの示唆やビジネスパーソンにとっても仕事がうまくいくためのヒントが多くある。本書がずっと売れ続けている背景には。わかりやすくロジカル思考が理解できるとあって、大人が自分のために購入をしていることがあるという。つまりは普遍的なロジカル思考のポイントが書かれているので、長く活用できる家庭に一冊置いておきたい保存版なのだ。ロングセラーの実践的で創造的な思考のガイドブック。新社会人にもおすすめの一冊といえるだろう。
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