
元保護猫の女の子「よちこ」ちゃんは、生後推定3カ月から4カ月のころ、X(ツイッター)ユーザー・よちこさん(@yochi_yochi_ko)に保護されました。
【写真】お迎えしたころの猫さん…何も教えていないのにトイレもできたお利口さんでした
大雨の中、必死に鳴いていた小さな体は泥で汚れ、鼻も真っ黒。しかし、温かい手に抱き上げられたその瞬間から、よちこちゃんの新たな日々が始まりました。
大雨の中で耳にした子猫の鳴き声
梅雨の季節、激しい雨が降り続くある日のことでした。家から少し離れた駐車場から大きな鳴き声が聞こえてきたのです。
飼い主さんは気になって探しに行くと、草むらに小さな黒い塊が……。そこにいたのは、鼻が土で汚れた子猫、よちこちゃんでした。手を差し伸べると威嚇されましたが、抱き上げると不思議とおとなしくなり、そのまま家に連れて帰ったといいます。
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「こんなに必死に鳴いている子を放っておけなかったんです。お迎えしない、という考えはまったくありませんでした」
泥だらけの体をきれいにしてあげたあと、よちこちゃんはようやく落ち着きを取り戻しました。こうして、よちこちゃんと飼い主さんは、ともに歩み始めたのです。
笑いあり、苦労あり…お迎え後の奮闘と成長
初日、キャリーバッグで夜を過ごしていたよちこちゃん。しかし翌朝、扉を開けた途端に飛び出し、驚きの行動を見せました。
「“欽ちゃん走り”でトイレに一直線! 先住猫を観察していたのか、何も教えていないのにちゃんとトイレができて驚きました。とてもお利口さんだなと思いました」
ただ、お姫様気質のお転婆ぶりは手強く、先住猫たちはよちこちゃんの勢いに圧倒され、距離を取るように。しかし、優しい「すず」くんが率先してお兄ちゃん役を買って出てくれ、仲を深めてくれたそうです。
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しばらくの間、夜の大運動会も連日のように繰り広げられ、飼い主さんは寝不足になることもあったといいます。
「あのころは地獄絵図でした。今思えば、ケージに慣らしておけばよかった思います」
それでも、少しずつ家族としての絆は深まっていきました。よちこちゃんは家族の笑いの源。ときには後ろ足でわざと人の足を踏んで「にゃー!」と訴えたり、許容範囲を超えると首をブンと振ったり、わがまま全開の行動も愛おしい日常です。
大切な存在と歩むこれから
よちこちゃんは、現在5歳を迎えました。誤飲の癖があるため、家ではマットやスリッパなど誤食しやすいものを撤去し、常に安全に気を配ってきたといいます。
しかし、それ以上に心配だったのが、あるとき告げられた肥満細胞腫との診断。早期に手術を行い、幸い、無事摘出。今は元気に過ごせています。
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よちこちゃんとの出会いを振り返って、飼い主さんは次のように語ってくました。
「ただただ、感謝です。かわいくて、かわいくてたまりません。家族が不穏な雰囲気になっても、彼女がいるだけで笑顔が戻ります。いつまでも元気で長生きしてほしい。うちの子になってくれて本当にありがとう」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)