画像提供:マイナビニュース阪神電気鉄道は10日、急行用の新型車両3000系を2027年春に導入するとともに、座席指定サービスの開始を決定したと発表した。新型車両のエクステリアカラーとして、「赤胴車」のイメージを受け継ぐ「リ・バーミリオン」を採用。既存の急行用車両(8000系を除く)も順次統一していく。
新型車両3000系は、「皆様の“たいせつ”に寄り添う車両でありたい」との思いを込め、各所にさまざまな工夫を散りばめつつ、最新技術も採用し、より安心・快適な旅客サービスを提供。着席ニーズの高まりを受け、6両編成のうち1両について座席指定サービスを提供可能な仕様とし、同社初というを座席指定サービス(運行区間・料金等の詳細は後日発表予定)を導入する。
車両コンセプトに関して、「“掛ける” たいせつがギュッと。(=様々な利用者に寄り添ったアイデアの掛合せ」「“駆ける” 急行用車両としての疾走感」「“翔ける” 将来に向かってのさらなる飛躍」「“架ける” 人と人、人と社会の架け橋」という4つの「かける」をデザイン・設計に反映。開業時から沿線の人々に身近な存在として寄り添うことで培ってきた徹底的な顧客志向(阪神らしさ)を実現する。
この車両コンセプトを体現すべく、アイデアを掛け合わせる「×(かける)」をモチーフとしたグラフィックを車体前面・側面に展開。先頭形状を上下左右へ広がる造形に仕上げ、疾走感と躍動感を演出する。エクステリアカラーを先頭から後方へ上昇させ、さらなる高みをめざす姿を表現するほか、車間を横断するグラフィックも施し、境目を超えてつながっていく姿も表現する。
エクステリアカラーの名称「Re Vermillion(リ・バーミリオン)」は、「バーミリオン」に「再び」という意味を持つ接頭語「Re」を加えた。長年にわたり支持された急行用車両の「赤胴車」を継承しつつ、「期待に応え続ける車両になってほしい」との思いを込めたという。「赤胴車」が持つイメージを受け継ぎ、明るい未来を「かける」車両にふさわしいカラーとして採用される。
その他、快適性・省エネ性に優れた電気式戸閉装置やインバータ式空調装置を採用するなど、ストレスフリーな車内環境をめざす。同期リラクタンスモータシステム「SynTRACS」を駆動システムに採用することで、既存の8000系と比べて消費電力を約60%削減する。
急行用の新型車両3000系は2027年春に導入し、当初は1編成で運用開始した後、運用本数を順次増やす予定。車両の詳細は改めて発表する。(MN 鉄道ニュース編集部)