2月20日に中国向け、グローバル向けが同時発表されたOPPOの最新折りたたみスマートフォン「Find N5」。今回、世界最薄ボディーの折りたたみスマホに触れてきたので、ファーストインプレッションをお届けしたい。
●ついに厚さは8mm台に! 世界最薄の折りたたみスマホここにあり
OPPO Find N5の特徴は、何といっても本体の薄さにある。展開時の4.21mm、閉じたときの8.93mmは、もはや普通のスマホと同じレベルの厚さであり、極限まで薄型に仕上げている。
折りたたみスマホではGalaxy Z Fold6が展開時5.6mm、閉じて12.1mmなので、OPPO Find N5がいかに薄いか分かる。ちなみにiPhone 16 Proが厚さ8.25mm、Galaxy S25 Ultraが厚さ8.2mmなので、OPPO Find N5の閉じた状態は普通のスマホと遜色のない厚さなのだ。
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本体重量は229gなので、従来モデルより軽量化されている。世界最軽量クラスではないものの、従来のFind N3と比較すると大画面になりながらも軽量化できているので、数字以上に軽く感じられる。
そんなOPPO Find N5を持ってみると、折りたたみスマホとは思えない薄さに驚くしかない。筆者も「Xiaomi MIX Fold4」や「HONOR Magic V3」といった厚さ9mm前半の薄型の機種を過去に触っているものの、これらを超える薄さに衝撃を受けた。
閉じた状態はまさに普通のスマホという感覚で、言われなければ折りたたみスマホだと気付かない人もいるだろう。ディスプレイイズは6.62型、解像度は1140×2616ピクセル、アスペクト比は20.6:9なので、Xperia 1 Vなどに近いやや縦長の印象。少し縦長ながら、普通のスマートフォンとして何ら問題なく利用できる
本体設計の関係か電源キーやボリュームキーの位置がやや上側にあるため、利用シーンによっては押しにくいと感じた。1カ月ほど使えば慣れると思われるが、HONOR Magic V3のように電源キーとボリュームキーが展開時に違う面にならないのはうれしい。
OPPO Find N5を開くと、意外と大きく感じられる。それもそのはずで、展開時のディスプレイサイズは8.12型となっており、この手の機種では大きい部類に入る。グローバル向けではGalaxy Z Fold6が7.6型、HONOR Magic V3が7.95型なので、OPPO Find N5はひと回り大きいのだ。
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展開したディスプレイの画面解像度は2480×2248ピクセルで、120Hzのリフレッシュレートにも対応。画面輝度も2100ニトという明るさも特徴だ。
さて、ここまで薄型化できた理由は新型のヒンジ機構にある。従来比で26%小型化されたヒンジによって、従来よりも厚さを抑えて画面を曲げることができている。気になる折り目も光の当て具合によっては目立つものの、かなり抑えている
それにしても、展開時が4.21mmとなれば、その厚さはもはや異次元の世界。実際にGalaxy S25 Ultraと比較すると、その差は歴然だ。
このような極度に薄い折りたたみスマホはディスプレイを開きにくいのだが、OPPO Find N5ではこのように感じる場面が少なかった。縁がラウンドしておらず、普通のスマホのように角張っているため、指が触れる面積が大きいことが理由だ。
●薄いだけじゃない、カメラ性能やバッテリー容量も充実
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OPPO Find N5はただ薄いだけのスマホではない。プロセッサには最新のQualcomm Snapdragon 8 Eliteを採用し、グローバル向けは16GBのメモリと512GBのストレージ容量を備える。最新チップらしい高い性能とコネクティビティ、AI性能を持ち合わせている。
アウトカメラは5000万画素の標準カメラ(F1.8)、5000万画素の望遠カメラ(F2.7)、800万画素の超広角カメラ(F2.2)の3眼で構成される。OPPOのハイエンドスマートフォンで好評なハッセルブラッドチューニングを引き続き採用する。先代のOPPO Find N3と比較するとハードウェア性能は抑えられたものの、依然としてきれいに撮れるカメラを備えている。
OPPO Find N5で何枚か撮影してみたが、ハッセルブラッドチューニングのおかげもあって、きれいに撮影できた。Find N5では望遠カメラがテレマクロ撮影に対応したことで、従来よりも使いやすくなったと感じた。
薄くなってもOPPO Find N5のバッテリーは5600mAhと大容量。競合するほとんどの機種を上回っており、電池持ちもかなり良好だと感じた。手持ちのGalaxy Z Fold5が4400mAhなので、この大容量なバッテリーは非常にうらやましく映る要素だ。
加えて独自規格の80W急速充電、50W急速ワイヤレス充電にもしっかり対応。バッテリーや充電性能は本当に隙のない構成となっている。
防水性能は大きく進化しており、IPX8に加えてIPX9等級の防水まで取得。結露の可能性があるので推奨されないものの、防水等級的にはシャワーをかけたり、湯船に沈めたりしても問題なく使えるだろう。
●折りたたみスマホの新境地 今後は8mm台が基準となるか
OPPO Find N5は折りたたみスマホで閉じたときに8mm台、展開時でも4.2mm台に突入した新境地のスマートフォンと評価したい。触れないと伝わりにくいが、前半の写真から薄さが伝われば幸いだ。
折りたたみスマホの薄型化競争はし烈なもので、HONORやXiaomi、vivo がしのぎを削る中、OPPOが8mm台へ一気に引き離した形となった。今後は8mmを基準にこれらのメーカーからより軽量かつ薄い機種が登場してくるかもしれない。
もちろん、極度な薄型軽量化には代償も伴う。特に冷却性能が弱い点は顕著で、ベイパーチャンバーをはじめとした冷却機構の採用は薄型化を取ると難しくなる。フラグシップのプロセッサを採用しても冷却性能で劣るため、ゲームなどの場面で性能を全て発揮することはできない。
OPPO Find N5ではいわゆる「7コア版」のSnapdragon 8 Eliteを採用しており、通常よりも性能が抑えられている。それでも各種AI処理などはしっかり利用できるなど、マイナス要素は少ない。
日本への展開は未定だが、折りたたみスマホに「重い」「分厚い」「電池持ちが悪い」といった固定観念がある人にこそ手にとってほしい1台といえる。
●著者プロフィール
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
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