
大阪公立大学大学院理学研究科と岐阜大学教育学部の研究チームは、メダカ(ミナミメダカ)は従来、日の出の前後1時間に産卵を開始すると考えられていたが、野生のメダカの産卵は午前0時ごろから始まることが自然環境下での観察で確認できた、と発表した。
研究チームは2023年7〜8月、岐阜市の川で午後9時〜午前5時、メダカの様子を水面上から赤色光ライトを使用してビデオカメラで撮影し、行動を分析した。その結果、メダカの活動量は午前0時以降に増加し始め、午前1〜3時に多くなることも分かった。オスの求愛行動は午前0時以降、顕著に増加し、午前2〜3時に多くなったという。
これまでは温度や日照時間などを自由に調整できる実験室での研究で、産卵時間が日の出の前後1時間に始まるとされてきたが、自然環境での繁殖行動は十分に調べられていなかった。
研究チームは、実験室での観察だけでは生き物の本当の姿を見落としてしまうことが分かったので、野外での観察と組み合わせることの意義を示す好例となった、としている。
研究成果は米科学誌「PLOS ONE(プロスワン)」で発表した。
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