
X(旧Twitter)ユーザー・半力さんの飼い主さん(@hanryoku_cat)は、元保護猫の女の子「半力(はんりょく)」さんと暮らしています。お迎え時は生後約3カ月半、現在は1歳半を迎えました。
【写真】譲渡会で初めて飼い主さんと会った時の猫さん 1カ月放浪していた過去を知りました
「昔から猫を飼うことが夢でした。職場兼住まいを雇用主が提供してくれて、『猫を飼ってもいいよ』と言ってもらえたときは、本当にうれしかったです」
その言葉をきっかけに、飼い主さんは保護猫情報を探し始めました。埼玉県や人形町、吉祥寺の保護猫カフェを巡るなか、三姉妹の猫のうち最後に残っていた子に申し込んだものの、先約がいてお迎えは叶わなかったといいます。
「それでも諦めきれなくて、保護猫情報アプリ『ペットのおうち』で猫たちを探し続けていたんです。すると、職場近くの日本橋で譲渡会が開かれていることを知って……。猫の写真を見ていたとき、八の字眉毛で不安そうな表情の子が目に留まりました。その瞬間、『この子だ』と思ったんです」
|
|
説明文に「1カ月さまよっていた」と書かれていたことも胸に響き、「この子を幸せにしたい」という思いが強くなったといいます。数日間、半力さんの情報を見つめ続けた飼い主さんは、職場を提供してくれた雇用主に相談しました。
「前回の猫ちゃんにはあまり乗り気でなかった雇用主も、その子を見て『なんだか気になる』と言ってくれて。すぐに譲渡会に行くことが決まりました」
譲渡会当日、他の人に譲りたくないという思いで、朝一番に雇用主と一緒に会場を訪問。
「実際に会ったとき、心の中で『絶対にうちの子にする』と決めました。申し込みが通ったときは、ただただうれしかったです」
初めての猫との暮らしと驚きの順応力
初めて猫を迎えるにあたり、飼い主さんは事前に情報を集め、猫との生活に向けて準備を整えました。
|
|
「必要なことをしっかり調べました。猫用3段ケージ、キャットタワー、ベッド、トイレ、子猫用ごはんやおやつ、おもちゃ、ホットカーペットまで用意しました。特に3段ケージは大きすぎて、雇用主に『少し過保護なんじゃない?』と笑われたほどです」
譲渡会の担当者からは「環境の変化で食事をとらなかったり、トイレをしない子もいます」と説明を受けていましたが、半力さんは初日からごはんを完食し、水もよく飲み、トイレも問題なし。
「その日のうちに私の体の上でくつろぎ始めてくれて、驚くほど順応が早かったです。物怖じしない子で、むしろこちらが驚くくらいでした。翌日にはきちんと排便もできて、『なんてえらい子なんだろう』と感心しました」
元野良猫だったこともあり、当初は人間の食事に強い興味を示した半力さん。
「ごはんを狙おうとすることがあったので、食事中はケージで待ってもらうことにしました。それでも、毎日きちんと食事がもらえるとわかったのか、しばらくすると人間の食べ物には関心を示さなくなりました」
|
|
半力さんがもたらす癒やしと特別な時間
「家に猫がいるだけで、日常がこんなに変わるなんて思いませんでした。今では毎日が本当に幸せです」
職場兼住まいでの生活に、半力さんの存在は大きな癒やしとなっています。
「仕事中に撫でたり、椅子を半力さんと共有したりしています。疲れたときにそばにいてくれるのは、何よりの励みです」
半力さんは来客があっても物怖じせず、おやつをもらったり、遊んでもらったりと人懐っこさを発揮します。
「高いところから人間たちを見下ろして、まるで会話に参加しているように観察しているんです。本当に社交的で、お客様からも『かわいい!』と褒めてもらっています」
甘えん坊な一方で、抱っこはあまり得意ではない半力さんですが、お風呂の時間は特別なひとときです。
「『おいで』と声をかけると、浴室のフタに乗ってきてくれます。おしりをトントンしたり頭を撫でたりすると、ゴロゴロとのどを鳴らして甘えてくれるんです。この時間が一日の癒やしで、半力さんと過ごす何気ないひとときがとても特別に感じられます」
半力さんへの思いと未来への願い
「毎日、『元気で長生きしてね』と話しかけています。近所の神社にもよく足を運んで、半力さんが健やかでいられるよう願っているんです」
飼い主さんにとって、半力さんはかけがえのない家族になりました。
「うちに来てくれて本当にありがとう。あなたがいてくれるだけで、毎日が特別で幸せです。これからもずっと一緒に、穏やかで楽しい日々を重ねていこうね」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)