ドローに終わったプレミアリーグの名門対決 [写真]=Getty Images プレミアリーグ屈指の名門対決は互いに決め手を欠き、1−1のドローという結果に終わった。
プレミアリーグ第28節が現地時間9日に行われ、マンチェスター・ユナイテッドとアーセナルが対戦した。序盤からアーセナルが主導権を握る中、45+2分にブルーノ・フェルナンデスが見事な直接FKを叩き込みマンチェスター・ユナイテッドが先制するも、74分にデクラン・ライスが強烈なシュートを突き刺し同点に。その後は互いに再三のチャンスを生かしきれず、『オールド・トラッフォード』での一戦は勝者なき結末を迎えた。
マンチェスター・ユナイテッドにとっては今シーズン初のリーグ戦連勝を逃し、アーセナルとしては首位リヴァプールとの勝ち点差がさらに開くこととなったこの試合。かつてマンチェスター・ユナイテッドやエヴァートンで活躍し、プレミアリーグ通算得点ランキングで3位に君臨する元イングランド代表FWウェイン・ルーニー氏は、両チームに共通点が見られたと指摘する。それは試合を決することができる“絶対的9番”がいなかったことだ。
ルーニー氏はイギリスメディア『BBC』にて「最高の9番を擁するチームが勝つ可能性が高いと常に感じている」と前置きしつつ、マンチェスター・ユナイテッドとアーセナルについて持論を展開。まずはカイ・ハヴァーツとガブリエウ・ジェズスの不在により、中盤を本職とするミケル・メリーノが“偽9番”を務めているアーセナルについて次のように語っている。
「適切な9番、つまりこれまでのキャリアでずっとそのポジションでプレーし、どんなチームにも違いをもたらせる選手が欠けていると感じた。私が言及しているのはゴールを決める自然な本能のことであり、ポジションについて学ぼうとしている選手にはおそらくないものだ。メリーノのような選手はボールを収めて他の選手をプレーに引き込むことができるが、ゴールスコアラーがもたらすのはチャンスを決めるためにボックス内にい続けるという利己心だ」
「日曜日の試合で見られたように、ライスは常にボックス内へ走り込んでチームを助けようとしていた。彼はその役割を非常に上手くこなしてたが、常に前線にいることはできない」
一方で、古巣マンチェスター・ユナイテッドについては「良いプレーができておらず、十分なチャンスを作ることができていない。チーム全体がベストな状態ではないと指摘することは重要だ」と語りつつ、「9番が不足している」と明言。その上で、アーセナル戦に出場したジョシュア・ザークツィーとラスムス・ホイルンドについて次のようにコメントした。
「ザークツィーは五分五分のボールを与えられることが多く、勝つためには素晴らしい努力をしなければならない状況だった。理想的にはチームとして数回パスを回し、プレッシャーを逃れてプレーしつつ、ストライカーの足元にボールを届けることだ。そうすればプレーは遥かに簡単になるし、よりゴールに近づくことが出来る。ピッチの高い位置にいればいるほど、ストライカーの選択肢は増えるんだ」
「ホイルンドのハイライトとなったのは、ボールがボックス内の彼のところに渡り、ライスが戻ってタックルした場面だ。これは完全に自信のなさによって生じたものだ。ホイルンドがボールに触れた後、どこにシュートを打つか顔を上げていたのがわかるが、その時間はない。ストライカーとしてゴールを決めている時は、顔を上げる必要すらない。ゴールがどこにあるか分かっているからだ。彼に出来るのは努力し続けること。自信がない時はボックス内に確実に入り、得点できる場所にいなければならない。そこが彼の改善点だろう」
【ハイライト動画】マンUとアーセナルの一戦はドロー決着