保護当初【今日のにゃんこタイム〜○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.161】
ノミやシラミ、回虫などが体に住み着き、“病気のデパート”状態だった子が、こんなにも美猫になってくれた……。
そんな喜びを噛みしめているのは、飼い主のこめこめ倶楽部さん(@komekomeclub_06)。
◆エステに行く途中で衰弱した子猫を発見
愛猫のちまきちゃんとの出会いは、2023年夏のことでした。
その日、飼い主さんは予約していたエステサロンへ行くため車を運転していました。すると、道路脇に白いビニール袋のようなものが落ちているのを発見します。
近づくにつれ、それが子猫であることに気づいた飼い主さんは困惑。エステの予約時間が迫っている上に、車内にはキャリーケースなどもありませんでした。
保護を迷いながらも、「このままでは車に轢かれてしまう」との思いから、車を脇に停め、子猫のもとへ走りました。
しかし、子猫は驚いて道路脇にある藪の中へ。焦りつつ、飼い主さんは藪の中を覗き込んで子猫の姿を探します。
「そうこうしているうちに、どこから出てきたのか、私の横にちょこんと座っていたんです。迷わず体を掴み、車に戻りました」
飼い主さんはエステサロンにキャンセルの電話を入れ、暴れて鳴き叫ぶ子猫に「大丈夫だよ」と声をかけつつ、家路を急ぎました。
◆“ファミリー”として、「ちまき」と命名!
子猫は鼻水や目ヤニが見られ、白い手足は泥などの汚れで茶色になっていました。
「帰りの車内では、クシャミ祭り。私の服や車内は鼻水だらけになりました(笑)」
飼い主さん宅には先住猫と先住うさぎがいますが、お米に関連する名前を共通してつけてきていたとか。そこで子猫の名前は「ちまき」に決定します。
「お米の料理だし、響きも女の子らしくていいなと」
一時帰宅のあとは、動物病院へ連れて行きました。体にたくさんのシラミがいることが判明したため、症状が酷い背中部分は毛刈りをし、他の部位にいるシラミはセロテープで駆除。
お家では先住たちにうつらないように隔離を徹底しつつ、専用のシャンプーで体を洗いもしました。
地道な努力を続けた結果、シラミの駆除は成功。ところが、今度はカビが皮膚に感染して起こる真菌症に……。
腰への負担に耐えながら、飼い主さんは再び2〜3日置きに専用のシャンプーで体を洗いました。ブラックライトで照らして病変を見つけては、その部分の毛刈りをして対処したのだとか。
「治ったかと思えば、別の場所が真菌症になるという繰り返し。完治までには3〜4カ月ほどかかりました」
実は飼い主さんにとって、ちまきちゃんは初めて自分の手で保護した猫でした。当初は里親を探そうかと悩みましたが、ケアをする中で心境に変化が起きます。
「他の人には任せられない、自分で保護したからには立派な大人に育ててあげなければ、という使命感が芽生えたんです」
◆おめめも、想像以上のパワーもすべてが愛おしい
正式に家族の一員となったちまきちゃんは、献身的なケアのおかげですっかり元気になりました。猫風邪の後遺症による片目の白濁も、飼い主さんにとっては紛れもない、愛すべき“個性”のひとつです。
「白濁した目のほうからおもちゃを見せると反応が薄いこともありますが、生活に支障はないようです。ただ涙が多いので、毎日の目薬は欠かせません」
ちまきちゃんは、投げてもらったおもちゃを取ってくる遊びが好き。過去には、自分の体よりも大きなおもちゃを1階のリビングから2階の寝室まで咥えて運び、家族を驚かせました。
「来たときから物怖じせず、ミニカーみたいに走り回る子でした。今も中身は、子猫のまま。うさぎたちが寝ているところに突然飛び込んで驚かすのが好きなので、よく夫に怒られています(笑)」
◆やんちゃで甘えん坊な愛猫の姿に笑みがこぼれる
小さな体に似合わないダミ声や、カエルのような「ニャッ!」という鳴き声も、ちまきちゃんのユニークな個性です。
天真爛漫なちまきちゃんは家族と目が合うだけで喉を鳴らすほどの甘えん坊でもあります。昼間でも夜でも、寝るときには必ず飼い主さんの足の間に入ってくるか、体の一部をくっつけてきたりするそう。
こめこめ倶楽部さんのことだけでなく、旦那さんのことも大好きなちまきちゃん。どちらに呼ばれても全力で返事をし、鳴きながら後追いをする懐っこさの持ち主です。
あの時、車を停めて保護に駆けつけて本当によかった――。そう話す飼い主さんは、癒しと笑いを毎日もらいながら、これからもちまきちゃんの成長を見守っていきます。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291