有名企業を早期退職した50代男性。“旅行系ユーチューバー”になるも登録者1000人で活動終了したワケ

0

2025年03月11日 16:20  日刊SPA!

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊SPA!

※画像はイメージです
 最近、お気に入りのYouTubeチャンネルを視聴していると、多くのクリエイターから「広告収益が下がってきた」という声を耳にします。今回は、そんなYouTubeの世界に飛び込んで大後悔した男性のエピソードです。
◆エリート社員が一念発起

 某有名企業で営業職に就いていた徳井さん(仮名・51歳)。家族構成は、妻と一人息子の3人で、横浜郊外の新興住宅地でマイホームを構え、順風満帆な生活を送っていました。

 ある日、徳井さんの会社が50歳以上の社員を対象に早期退職制度を導入したそうです。

「ニュースでよく見かける内容だったので、特に驚きはしませんでしたが、会社の経営に何か問題があるのではないかと逆に不安になりました。

 しかし、よく考えると、私たちのような比較的高待遇の社員はむしろ負担になっているのだと気づきました。その思いが強くなるにつれ、居心地が悪くなっていきました」

 そんな徳井さんの趣味は「海外旅行」であり、実は旅系のYouTube動画を観ることが大好きで、密かに憧れていました。

「息子も大学を卒業し社会人になったので、家のローンももう少しで完済することから、思い切って今回の早期退職制度を利用しようと妻に相談しました。すると、妻は意外にも私を後押ししてくれました」

◆善は急げであっさりと退職

 妻の支援と息子の協力を得て、徳井さんはスムーズに退職手続きを進めたといいます。

「これほどワクワクした瞬間は人生で初めてです。大好きな旅行を通じて新たな生活を始められるのですから。しかし、準備や学ぶべきことが多すぎて、少し圧倒されている部分もありました」

 退職手続きは約1週間で完了し、いよいよ自宅にこもって様々な旅行関連のYouTube動画を視聴する日々が始まりました。同時に、動画編集に適したパソコンや撮影機材を整えるために、かなりの時間をかけて選定作業を行ったそうです。

「ただ、必要な環境や機材を整えるには、予想以上の費用がかかることがわかりました。そのため、全てを新品で揃えるのではなく、半分ほどを中古品でまかなうことにしました」

◆バズった記念すべき1本目の動画

 家族会議で慎重に検討した結果、記念すべき1本目の動画は、徳井さんが過去に訪れたリゾート地の映像を編集したものに決まりました。すると、その動画がバズりました。

「初めての動画なので、無難な内容にしようと考えました。そのうち、昨年家族で訪れた南半球のリゾート施設の映像を編集してアップすることになりました。

その後、何らかの理由で再生回数が急増し、会員登録者数も10人単位で増加していきました。そして、なんと1週間放置していたところ、あっという間に500人に達したのです」

 どうやら、公開した動画の訪問地が非常に珍しかったため、ある会員数50万人を超えるYouTuberがSNSで拡散してくれたようです。

 その後は、実際に訪れた旅行先などを定期的に公開した徳井さん。気が付けば登録者数がもうすぐ1000人に達するところまで来ていました。

◆一瞬の出来事でYouTube終了

 気が付くと登録者数は1000人を超え、徳井さんはさらなる挑戦に出ることにしました。

 なんと、車中泊で日本一周の旅動画を計画したのです。今回は、妻や息子に相談せずに中古のワンボックス車を購入し、寝泊まりできるように改造したとのことです。しかし、旅の開始早々に大きな不運に見舞われました。

「自分の愚かさに呆れるばかりです。東京を夜に出発し、日本海側の道の駅を巡る計画だったのですが、一睡もせずに目的地に向かったため、海岸沿いの道で居眠り運転をしてしまい、大きな自損事故を起こしてしまったのです。

 私は肩と右足を骨折し入院することになり、ワンボックス車は大破。機材も道路に散乱して使用不能になりました。一瞬でYouTuberとしての活動が終わってしまったのです」

 悲惨な目に遭った徳井さんですが、幸いにも気持ちの切り替えが早く、以前の会社に戻り倉庫勤務のアルバイト生活を送っているとのことです。

<TEXT/八木正規>

【八木正規】
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営

    ランキングIT・インターネット

    前日のランキングへ

    ニュース設定