殺人ほう助罪に問われた父親に懲役1年4月判決　ススキノ遺体切断

　札幌市の繁華街・ススキノのホテルで2023年7月、会社員男性（当時62歳）を殺害し頭部を切断したなどとして、田村瑠奈被告（31）ら親子3人が殺人などの罪に問われた事件で、殺人ほう助罪などで起訴された父、修被告（61）の裁判員裁判の判決が12日、札幌地裁であり、渡辺史朗裁判長は懲役1年4月、執行猶予4年（求刑・懲役10年）の判決を言い渡した。

　親子3人の中で最初の判決。母・浩子被告（62）の公判は17日に結審する予定で、瑠奈被告の公判のめどはたっていない。

　起訴状によると、修被告は事件前に凶器などを購入して瑠奈被告に提供し、当日は現場まで自身の車で送迎。瑠奈被告が持ち帰った頭部を自宅に隠すことを容認し、ビデオカメラで撮影して損壊行為を容易にしたなどとされる。

　検察側は論告で、瑠奈被告が男性と会う約束をした同年6月18日以降に修被告がナイフやキャリーケースなど瑠奈被告の計画に必要な物を次々に購入したと指摘。「修被告の協力がなければ計画は実現不可能だった。凶器の購入や現場への送迎などで手助けしたことは明らか」と主張した。

　一方、弁護側は最終弁論で「瑠奈被告の殺意や計画を知っていたと示す証拠は全くない」と反論。「損壊行為をビデオ撮影したことも遺体損壊のほう助にはならず、いずれの犯罪も成立しない」として全面無罪を主張していた。【後藤佳怜】