スタンド込みで500g以下! 13.3型の激軽モバイルディスプレイ「PTF-M133A」を試す

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2025年03月12日 15:21  ITmedia PC USER

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プリンストンの15.6型モバイルディスプレイ「PTF-M133A」。ボディーサイズは約305(幅)×193(奥行き)×10.5(厚さ)mmだ

 プリンストンの「PTF-M133A」は、13.3型のモバイルディスプレイだ。一体型スタンドでありながら500gを切る軽さに加え、保証期間が3年と長いことも魅力となる。メーカーから機材を借用したので、レビューをお届けする。


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●画面はノングレア加工 スタンド込みで500g以下の軽さ


 まずは基本的な仕様から見ていこう。画面サイズは13.3型で、解像度は1920×1080ピクセル、アスペクト比は16:9だ。IPS液晶を採用しており、画面はノングレア加工となる。一般的に13.3型のモバイルディスプレイは光沢タイプが多いので、ノングレアであることに魅力を感じる人はいるかもしれない。


 視野角は水平/垂直ともに170度で、コントラスト比は800:1、応答速度は30ms、最大輝度は250ニトで、タッチ操作には非対応だ。全体的にはそれほど特徴はなく、ごく一般的な仕様のモバイルディスプレイと見てよいだろう。


 ボディーは、昨今のモバイルディスプレイによくある背面に段差のある形状だが、カバー兼用スタンドで収納時にこの段差を緩和する構造ではなく、スタンドはボディー背面下部に埋め込まれる一体型となっている。本製品と同時発表の15.6型モデルは本製品と違ってカバー兼用スタンドを採用しているだけに、あえて仕様を変えてきているのは興味深い。


 接続方式はHDMIもしくはUSB Type-Cを利用する。USB Type-Cポートは2基あり、パワーパススルーもサポートしている。この他、スピーカーを内蔵していたり、イヤフォンジャックも搭載したりするなど、音声出力回りは比較的充実している。


 重量は公称値で約489gだ。このサイズのモバイルディスプレイは軽さをアピールする製品が多いが、スタンド兼用カバーを含めた総重量はそこそこ重い場合もしばしばなので、スタンド込みで500g以下を切る本製品は十分に軽い。セールスポイントの1つと見て良いだろう。


 付属品はケーブル2種類に加え、USB Standard-A→USB Type-Cケーブル、USB Type-C仕様の直結型ACアダプター、クリーニングクロスが用意される。カバー類は付属しないため、バッグなどに収納する場合はノートPC用の保護ケースなどを別途調達する必要がある。


●優れた基本性能 パススルー充電にも対応


 では実際に使ってみよう。HDMI/USB Type-Cポートは左側面に配置されている。USB Type-Cポートは2基あるが、機能的にはどちらも違いはない。


 画面は若干青みがかった印象を受けるが、クオリティーは十分だ。なおUSB Type-C接続時は明るさが30%に制限されるものの、手動で100%に引き上げれば、斜め方向からも暗く感じることはなく、正面以外から画面をのぞき込むような使い方にも十分に対応できる。


 機能的には突出した部分こそないが、一体型スタンドを採用していることから、フットプリントが小さいのは利点だ。ノートPCを背中合わせに配置するようなレイアウトでは、最小限のスペースしか使わずに済む。スタンド兼用カバーを採用した製品が、かなりの奥行きを取るのとは対照的だ。


 ちなみに、本製品は2基のUSB Type-Cポートを用いたパススルー充電にも対応する。付属の最大出力65WのACアダプターを本製品に接続したところ、ノートPC側では45Wの充電器として認識されたので、ノートPCに供給できる電力としては十分だ。なお、パススルーで外部に給電できるのは、18W以上の充電器を接続した場合のみとされている。


 続いて、OSDメニューについて見ていこう。OSDメニュー操作に使うボタンは、右側面に配置されている。ボタンは「メニュー」「上下」「戻る」の3つで、「戻る」は電源のオン/オフも兼ねている。


 製品によっては、省略されがちな「戻る」ボタンを物理ボタンとして実装されていることもあり、操作性は良好だ。メインメニューが表示されていない状態で、上下それぞれのキーを押すと、明るさおよび音量を調整するメニューが表示されるなど、利用頻度の高い項目は素早く呼び出せるよう配慮されている。


 メニューのデザインは前回紹介した2画面モデル「PTF-M156DS」と共通で、項目についても2画面モデル固有のものを除けば全く同じだ。一般的なモバイルディスプレイが網羅している項目は一通り搭載しており、不足は感じない。


●コスパ的にも優秀な製品 ただし縦置きは実質非対応


 以上のように、突出した特徴こそないものの、スタンド一体型で使いやすい製品だ。実売価格も2万4800円とこなれており、入手性も高い。個人的には、持ち歩き用のカバーなりポーチなりが欲しかった気がするが、これは自前で調達すれば問題ないだろう。


 実際に使ってみて多少気になったのは、縦置きでの利用を想定していないことだ。背面の一体型スタンドがそもそも横置き前提の設計であることに加えて、ポートは左側面、OSDメニュー操作に使うボタンは右側面に配置されているため、サードパーティー製のタブレットスタンドなどを使って立てて設置したとしても、どちらかがデスク面と干渉する。


 またVESAマウント穴もないため、ディスプレイアームなどへの固定もできず、縦置きで使うには、クリップで挟み込むタイプのスタンドを用いるくらいしか方法がない。他社製品と比較検討するにあたっての、大きな違いの1つということになるだろう。


 一方、保証期間が3年と長いのは、ほとんどが1年保証の他社製品と比べた場合の大きなアドバンテージだ。付属の充電器は最大出力65WのUSB PDに対応しており、単体で買うと2千円前後はすると考えられるので、ケーブルしか付属しない製品に比べるとお買い得に感じる。総じてよくまとまった、コスパ的にも優秀な製品といえそうだ。



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