[写真]=J.LEAGUE 身長192cmの大型DF望月ヘンリー海輝は、昨季大きなインパクトを残したルーキーの筆頭格だ。公式戦31試合に出場し、町田の上位躍進に貢献。個人としては海外組がひしめき合う日本代表にも初選出され、「成長につながる経験ばかりでした」と振り返る。
今季は開幕スタメンを勝ち取るも、直近2試合はベンチ入りも出番なし。3試合の出場にとどまっている。「苦しい期間ではなく、より成長するための期間」。そう信じて日々鍛錬を続ける望月に今季これまでとここからについて聞いた。
取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)
――プロ1年目の昨季はレギュラーとして出場を続け、チームは初挑戦のJ1で3位と躍進。個人としては日本代表選出と高次元でたくさんの経験値を積んだ1年だったと思います。
望月 自分の成長につながる経験ばかりでした。昨年と比べて試合に向かうまでの流れ、コンディション調整にも慣れてきました。
――今季は背番号を6番に変更しました。過去に背負った思い入れのある番号なのでしょうか?
望月 いえ、これまでつけたことはないのですが、ポール・ポグバ選手が好きなんです(※ポグバはユヴェントス、マンチェスター・ユナイテッド、フランス代表で6番を着用)。昨季の33番は「3+3=6」という意味もあります(笑)。ゼルビアにとって6番は特別な番号であることを教えてもらった中、プロ2季目は『よりチームの勝利に貢献したい』という覚悟を持って選びました。素晴らしい選手たちがつけてきた6番を背負って、プレーでその覚悟を示していきたいと思っています。
――そんな中で開幕した今季はここまで3勝0分け2敗で5位。チームとしての今季ここまではいかがでしょうか?
望月 タイトル獲得という目標を掲げていますが、そう簡単にはいかないなと思いました。ただ、最初に負ける経験ができたと捉えて、その後は改善することができていると思います。現在2連勝中ですし、負けをプラスに転換できました。
――黒田剛監督就任以降の連敗は一度だけ。連敗しない秘訣はどんなところにあると思いますか?
望月 失点した要因、得点を取なかった要因は何だったのか。黒田監督を中心にしっかりと突き止めて、そこに対して選手全員がフォーカスして次の試合に向かっていきます。急に全てが変わるというわけではなく、問題意識を持って取り組み改善した結果だと思います。
――望月選手個人としては開幕から3試合連続でスタメン出場を続けていましたが、直近2試合は出番がない状況です。
望月 自分にはまだまだ足りないものがあると明確に示してもらっていると捉えています。自分でも何が足りないのかを考えつつ、監督やコーチ陣の要求に応えていくことによって、成長することができる。次に出場する時は、最後に出た試合(第3節 東京ヴェルディ戦)の自分を超えているということになるはずです。これで腐っていてもどうにもならないですし、苦しい期間ではなく、より成長するための期間として取り組んでいます。とにかく上手くなって、試合に出てチームの勝利に貢献したいという思いだけです。
――今日の練習(3月11日取材実施)でも全体練習終了後、フィールドプレーヤーでは最後までピッチに残って練習を続けていました。
望月 体に不調がない限り、いつもやっています。今はトラップの質を上げたいので、ボールを受けて前を向くイメージで練習に取り組みました。
――今季は3バックでスタートし、望月選手は右ウイングバックとして出場しています。ご自身の強みを生かすという意味で3バック布陣はいかがでしょうか?
望月 ウイングバックだとより攻撃的にいけますし、自分のスピードや高さを生かすことができます。ウイングバックとサイドバックでやることの比重は変わると思いますけど、対人守備やクロスの質など求められる要素は同じだと思っています。
――3バックを支えるのが岡村大八選手、負傷離脱中ですが菊池流帆選手といった新加入選手たちです。得意とするポジションは少し違いますが、同じDFの選手としてどんな印象でしょうか?
望月 ハチくんは先日の横浜FC戦でも1トップの櫻川ソロモン選手に対して、バチンと行ってボールを取り切っていました。フィジカルを生かしたボール奪取はすごいですね。流帆くんはヘディングが強い。もし同じくらいヘディングが強い選手が相手にいたとしても、流帆くんは+迫力で勝ります(笑)。開幕戦(第1節 サンフレッチェ広島戦)で一緒にピッチに立って、「すごいな」「心強いな」と思いました。同じDFとして何か自分にも真似できることがないか、よく見るようにしています。
――昨季との違いの一つとして、ヘッドコーチの変更(金明輝コーチはアビスパ福岡の監督に就任。有馬賢二コーチが入閣)がありました。今日の練習でも有馬コーチが中心となり、選手たちを前向きにプレーさせるような声掛けが多かったと感じたのですがいかがでしょうか?
望月 お2人とも選手たちをより成長させるためのアプローチであることに変わりはないですが、声掛けの仕方は少し違うのかなと感じています。有馬コーチはすごくポジティブな声掛けをしてくれますし、良い部分に目を向けてプレーすることができています。指摘があってもプラスに捉えやすいような伝え方をしてくれますね。
――今週末は3連勝、ホーム初勝利を目指してアルビレックス新潟と対戦します。昨季はルヴァンカップを含め、計4回対戦した相手です。どういったところがポイントになると考えますか?
望月 トータルでの成績では新潟に分がある(新潟の8勝4分け4敗)と思いますが、そこに対して苦手意識を持つ必要はないと思っています。ポイントとしては、どちらがよりチームとしての持ち味を出せるか。新潟はつないでくると思うので、自分たちはハイプレスで取り切れるか。僕たちが前から行って流れを掴むこともあると思いますし、逆にそこをパスで剥がされる可能性もあります。どちらの矛が強いのか、という感じですかね。
――新潟に加入したGK田代琉我選手は国士舘の先輩にあたると思います。
望月 田代選手は大学1年生の時の4年生なので、ちゃんと挨拶にいきます(笑)。大学の時はマサくん(飯田雅浩/カマタマーレ讃岐)と争ってしましたけど、セービングや体を大きく見せるプレー、迫力はすごいなと思っていました。あと小見ちゃん(小見洋太)は年齢が一つ下でアルディージャ(現在RB大宮アルディージャ)のジュニアで一緒にやっていたので楽しみですね。
――では、改めて今週末に向けた意気込みをお願いします。
望月 まずはチームと守備を徹底しているので失点しないこと。個人としてはスピードや高さを生かして貢献したいです。
――望月選手の初ゴールを待っているファン・サポーターの方も多いと思います。昨季のホーム最終節、京都サンガF.C.戦ではポストに嫌われ本当にあと僅かでした……。
望月 あれは絶対に入ったと思いました。が、綺麗に入らなかったですね……。日頃の行いなのか……(笑)。技術を高めつつ、早くゴールを決めてそろそろ嬉しい思いをしたいですね!
明治安田J1リーグ 第6節
FC町田ゼルビア vs アルビレックス新潟
3月15日(土)14時〜 @町田GIONスタジアム
町田vs新潟 試合情報