
フィラデルフィア・フィリーズとマイナー契約を結び、メジャーキャンプに招待選手として参加中の青柳晃洋(31)。異国の地でもがく青柳の元へ、サンデーモーニング御意見番の上原浩治さん(49)が訪れた。
阪神時代にはドラフト5位入団ながら2021年、22年と2年連続最多勝に輝くなどエースとしてチームの中心にいた青柳。直近2年は開幕投手も務め、23年の日本シリーズ第7戦にも先発し、38年ぶりの日本一に大きく貢献した。
昨オフにポスティングでのメジャー移籍を目指したが、結んだのはマイナー契約。「シーズン最後はメジャーのマウンドで」と語る、夢を追う右腕に話を聞いた。
上原:サイドスローというメジャーでも珍しい投げ方をすることについて、そこは自分の強みだという意識はありますか?
青柳:日本の時もそうですけど、人と違うことをやってるので、そこで競争率は下がるかなと思うので、そこを活かしながら、でもやっぱり力がないと、珍しいだけではメジャーでは投げられないので、しっかりと成績で示していかないといけないと思っています。
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上原:そんな中で、どうアピールしたらメジャー契約に繋がると考えていますか?
青柳:日本人はコントロールがいいと言われているので、そこで勝負しないといけないと思いますし、アームアングルが変わるというところで、フィリーズの先発であれば上投げの投手しかいないので、彼らが投げた後のところで活躍できるように。日本では先発でしたけど、リリーフでもロングでも敗戦処理でも何でもいくっていうところまで来ているので、どんな役割でも自分が与えられた役割を全うしていくっていうのを繰り返していかないといけないと思っています。
サイドスローという自分の特徴を理解しているからこそ、ポジションにこだわりはないと話した青柳。ここで上原さんが気になったのは、日本の投手が戸惑うボールの違いについて。
上原:日本とは違うアメリカのボールについて戸惑いはありますか?
青柳:ちょっと(違いを)感じてますね。日本よりは滑るという感覚がありますし、少し大きい感じもします。でも、ちゃんと投げられた時はいいボールがいくので、慣れていくしかないかなと思っています。
上原:まっすぐか変化球のどちらの方が滑る?
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青柳:変化球ですね、スライダーで抜けちゃうことが多いので。でも、ちゃんと指にかかった時は素晴らしい変化をするので、日本よりもボールが動くと思います。
ここで、青柳からメジャーの大先輩である上原さんへ質問。
青柳:上原さんはメジャー1年目の時、どういう心境でした?
上原:自分もやっぱり憧れで来ていたので、もう楽しみしかなかったですね。小学生の時に味わった野球みたいな感じでしたね。
青柳:シーズンに入っても同じマインドでしたか?
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上原:最初はどうなるのかなって。いきなり僕は(相手が)ヤンキースだったので松井(秀喜)さんもいるし。テレビで観た人ばっかりだと思ってワクワクしてやってましたね。
青柳:僕もこの前ライブBPでJT・リアルミュート(33)と組ませてもらって、「うわあリアルミュートだ」と思って、本当に少年の気持ちじゃないですけど、メジャーでやってる選手と一緒にできるっていう、キャンプですらメジャーリーガーと触れ合えることがいっぱいあるので、みんなすごいなと思ってやっています。
日本時代にどれほど実績を残したとしても、メジャーの世界にはワクワクする部分があると一致した2人。最後に今季の目標を聞いた。
上原:今シーズンの目標は?
青柳:大前提としてメジャーのマウンドに上がるというのが一番だと思うので、キャンプからそのままメジャーに上がれるように頑張っていきますし、上がったらどんな役割でも続けて出るっていうのが大切になってくると思うので、しがみついてシーズン最後はメジャーで終われるように頑張っていきたいと思います
日本時間3月16日時点でオープン戦4試合に登板して防御率12.00と苦戦し、マイナーキャンプに合流することが決まった青柳。だが、日本時代も入団から5年間は勝ち星が先行することはできず…そこから2年連続で最多勝を取るまでに成長した。
「与えられた場所でやるだけです」そう話した青柳にチャンスはまだ残っている。シーズン最後はメジャーのマウンドに立っている姿に期待したい。
*写真は左から上原浩治さん、青柳晃洋投手