<陸上:大阪・関西万博開催記念 ACN EXPO EKIDEN 2025>◇16日◇万博記念公園〜大阪・関西万博会場前(7区間54・5キロ)
史上初の実業団と大学生との対決は、トヨタ自動車の貫禄勝利となった。1区から首位に立ち、3区でハーフマラソン日本記録保持者の太田智樹(27)が1分11秒差に広げて独走。後半も第6区、7区と続けて区間賞を獲得し、2位の富士通に1分14秒差をつける2時間32分48秒で完全勝利を果たした。大学勢のトップは全体3位の国学院大。今年の箱根駅伝で2連覇した青学大は全体7位だった。
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春の浪速路で、トヨタ自動車が実業団の意地を示した。史上初となる実業団と大学生の真っ向勝負。3区区間賞に加えて、大会のMVP賞も獲得した太田は「学生に勝って当たり前だと思われるし、負けたら何をしているんだ、と言われる立場」という独特な重圧を乗り越えての勝利に「うれしい」と笑みを浮かべた。
勝負を決定づけたのは3区太田だった。ハーフマラソン日本記録保持者で24年パリ五輪男子1万メートル代表の実力者は、エースが集う最長区間の12・5キロを1キロの平均ペース2分43秒7で押した。独走。「自分の走りをするだけ」と8キロ過ぎに設置された給水所もスルーして淡々と歩を進めた。終わってみれば後続に1分11秒差の圧勝態勢を築いた。
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3位に入った1月の全日本実業団対抗駅伝出走メンバー7人のうち5人が出走と主力を並べたが、世界選手権の選考レースが続く時期。チーム内では、失うものなく向かってくる大学生に恐怖を感じる声も上がっていた中、結果は、区間賞を実業団が独占する面目躍如となった。熊本剛監督は「正直、ホッとしている。我々はプロ意識を持っている。その意地を見せられた」と安堵(あんど)。選手の走りからも見られたプライドに、新たな収穫を手にしていた。【竹本穂乃加】
◆エキスポ駅伝 実業団は1月の全日本対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)上位など7チーム、大学生は24年11月の全日本駅伝上位など9チームが参加。コースは70年大阪万博の記念公園から25年大阪・関西万博が開かれる夢洲へ。1区は55年前のシンボル「太陽の塔」を間近に走り、最長12・5キロの3区は大阪の大動脈、国道423号(新御堂筋)を南下。大阪城公園や道頓堀、USJなどを巡り、工事が進む今年の万博会場前にゴールした。次回未定。
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