バスで「2席分を1人で占領する」男性…混雑する車内で平然とする男を動かした“女子高生の行動”

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2025年03月17日 09:30  日刊SPA!

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※画像はイメージです
 電車やバスの車内で見かける迷惑な客。みなさんも、通勤や通学の際に一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。ただ、周囲の人々は多くの場合、そのような状況に目を背けてしまいがちです。
 今回取材した男性は、バスの中で目撃したある女子高生の驚くべき行動について話をしてくれました。

◆ほどよい揺れが眠気を誘う空間

 システムエンジニアの兵頭さん(仮名・34歳)。以前は営業スタッフと帯同して顧客のシステム管理に従事していましたが、最近ではリモートで業務が増えているとのことです。

「入社当初は残業ばかりで、しばしば会社の休憩室で寝泊まりしていました。当番制でトラフィックの監視業務もあったので、昼夜逆転していることも少なくはありませんでした。しかし昇進後、コロナ禍の影響で勤務環境が大きく改善されました」

 現在、毎週月曜日の定例会議に出社する以外は、自宅でのリモートワーク勤務となった兵頭さん。

「会議は11時からなんです。その後久々に会う同僚とランチを楽しんでから、時間には余裕があるので路線バスで帰宅しています。ほどよい揺れが心地良く、まどろむ至福のひとときです」

◆気が付けば大柄な男性が目の前に

 たいてい、月曜日は学校帰りの小学生や買い物帰りの女性客で賑わうのですが、その日は少し違ったようでした。

「会社の近くで乗車し、いつものようにうとうとしていたんです。坂道に差し掛かり激しい揺れで目が覚めました。すると、私の席の前に大柄な男性が2人席を1人で陣取っていたんです。

 周囲を見渡すと、お年寄りや妊婦も立っているにも関わらず、お構いなしにスマホに夢中でした。私は窓側に座っていて、隣の年配女性はぐっすり眠っていたため、彼女を起こしてまで席を譲るのもためらわれました」

 あらためて周囲に目をやった兵頭さんは、いつも以上に席を必要とする乗客が多いことに気づいたそうです。

「情けない話ですが、前の男性に注意を促す勇気がなく、かといって席を譲ることができない自分にとても腹立たしい思いを抱きました」

◆突然声を上げた女子高生

 兵頭さんが何もできずに座っていると、通路に立っていた女子高生が、その大柄な男性に向かっていきなり「すみません、横に座っていいですか?」と尋ねたのです。

 大柄な男性は、その女子高生の言葉を聞いたかどうかは不明ですが、依然としてスマホに夢中だったようです。

「びっくりしました。いきなりはっきりとした口調でその男性に話しかけるのですから。気がつくとその女子高生は大柄な男性の横へ滑り込むようにして座りました。最初は『少し変わった子だな』と思ったのですが、その勇気には驚かされました」

 大柄な男性の膝が触れることに気を留める様子はなく、その女子高生はまっすぐ前を見つめ、全く動かなかったようです。

◆突然席を立った大柄な男性

 その女子高生はポケットからスマホを取り出すと、おもむろに電話をかけ、大柄な男性にも聞こえるような声で話し始めました。

「もしもし、お母さん?今日学校で体調悪くなっちゃって、咳が出て熱も39℃くらいあるの。うん、わかってる。このままバスに乗って病院にいくね。じゃあね」

 スマホに夢中になっていた大柄な男性は、女子高生の会話に耳を傾けていたようでした。

「女子高生のすぐ後ろに座っていたので、彼女の会話は聞こえていました。すると、次の停留所に到着すると同時に、大柄な男性は急いで席を立ち、バスの前方に消えていきました。その後、女子高生は近くに立っていたお年寄りと妊婦に席を譲り、満足そうな笑みを浮かべていました。

 今度こそはと思い、その女子高生に『大丈夫ですか?座ってください』と言うと『ありがとうございます。実は演技だったんです。我慢できなかったので嘘の電話したんです』と、笑顔で返してくれました」

 隣に座った人物が病人だと気づいた大柄な男性が感染を恐れて自ら退散したという今回のエピソード。その”北風と太陽”的な展開に兵頭さんは久しぶりにに感動したそうです。

TEXT/八木正規

【八木正規】
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営

このニュースに関するつぶやき

  • その男性なんてまだ良い方で、図々しい馬鹿子持ちなんて、両親あるいは片親と乳幼児1人なのに、4席以上を占領して自宅リビングみたいにくつろいでるのがいるよ。
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