京都〜大阪を「船で一気通貫」…淀川通る新航路が開通 国内最大級「淀川大堰閘門」に注目 2メートルの水位差、船を持ち上げる仕組みとは

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2025年03月22日 16:10  まいどなニュース

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淀川大堰閘門(2月16日撮影)=近畿地方整備局提供

 京都と大阪を結ぶ「淀川舟運」で3月16日、伏見と大阪湾を一気通貫で結ぶことも可能な新航路が開通した。下流部をせき止めている淀川大堰に船が通れる閘門(こうもん)が設置されるためで、当日は河口近くまでの記念クルーズが行われた。

【地図】淀川大堰閘門の場所 この閘門ができたことで、新航路が誕生しました

国内最大級 通過に30分 淀川大堰閘門

 淀川大堰閘門(大阪市都島区)は幅約20メートル、長さ約70メートルと国内最大級で、500トン台の船は1隻、大型観光船(定員100人程度)は4隻が同時に通れる。通過にかかる時間は30分程度という。

 淀川河口から約10キロ地点にある淀川大堰は水道水の確保や潮止めを果たす一方、大堰の上下流に最大2メートルの水位差が生じ、船が往来できなくなっていた。

 閘門では片方のゲートが開き、船が入ると、ゲートが閉じて出口側と同じ水位になるように調整。反対側のゲートが開くと、船が出て行く仕組みだ。

 淀川大堰閘門が整備されたことで、災害時には緊急物資や廃棄物を、平常時は上流域などでの公共工事に使う資機材や土砂をよりスムーズに運べるようになるという。

 広域観光への効果も期待される。民間事業者などが船を準備し、「一気通貫」の船旅を行う場合、淀川大堰閘門も伏見船着場も国への利用申請が必要だが、利用料は不要だ。

 実は伏見船着場のそばにも、閘門がある。伏見のまちなかを流れる壕川と、淀川につながる宇治川の間を船が行き来できるよう、1929(昭和4)年に完成した三栖閘門。一時は石炭などを運ぶ船が年間2万隻以上も通過したが、戦後に役目を終えた。現在は、そばにある資料館がその歴史を伝えている。

(まいどなニュース/京都新聞)

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