阪神大賞典に出走するゴールデンスナップ(撮影:山中博喜) 今週の日曜日は、阪神競馬場で阪神大賞典(GII・芝3000m)が行われます。
過去10年の阪神大賞典は前走で重賞に出走していた馬が10勝2着8回3着9回と圧倒しています。その中でも前走がGIだった馬は22頭が出走し5勝2着5回3着3回。連対率45.5%、複勝率59.1%と優秀な成績を残しています。複勝回収率でも100%を超える数字となっていますので、前走でGIに出走していた馬は軽視しない方がよさそうです。
過去10年の阪神大賞典の勝ち馬10頭の内、9頭は天皇賞(春)に出走。そのうちの8頭が天皇賞(春)でも馬券に絡む活躍を見せています。阪神大賞典は天皇賞(春)の前哨戦で最も重要であり、春の盾を目指す実力馬がステップレースとして選択する一戦です。当然、メンバーレベルも高くなりますので、その中で上位争いに絡むにはそれ相応の能力、実績がなければ難しくなります。前走でGIに出走している馬は能力、実績に優れており、結果的にレベルの高くなる阪神大賞典でも活躍する傾向にあるのではないでしょうか。
ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。
【条件】
前走万葉Sに出走(ただし、芝3000m以上の重賞で3着以内の実績がある馬は除く)
[0-0-0-7]複勝率0%
該当馬:ゴールデンスナップ
(過去の該当馬:22年マカオンドール2番人気4着)
※特に言及のない限り、データは過去10年間を対象にしています。
上位人気が予想されるゴールデンスナップが該当しました。
過去10年の万葉Sはすべて芝3000mで阪神大賞典と同じ長距離にカテゴリーされるレースです。例年、年明けに開催されるため、万葉Sから阪神大賞典へ向かう馬も珍しくありません。しかし、万葉Sから参戦してきた馬で馬券に絡んだのは22年のシルヴァーソニックのみ。シルヴァーソニックは芝3000m以上の重賞で3着に入った実績があり、長距離重賞で通用することをすでに証明していました。しかし、前走が万葉Sで芝3000m以上の重賞で3着以内に入った実績のない馬には好走した例がありません。
該当馬に挙げたゴールデンスナップはこれまでに芝3000m以上の重賞で馬券に絡んだ実績がありません。昨年の阪神大賞典では5着と掲示板は確保していますが、勝ち馬からは1秒以上も離されています。また、昨年のステイヤーズSでは4着に入っていますが、その時の2着馬、3着馬、5着馬は翌年のダイヤモンドSで着順を落としていますので、相手関係に恵まれた感もあります。
前走の万葉Sは2馬身差で快勝していますが、これはあくまでもオープン特別での結果。今回は重賞で実績を残す実力馬も出走しますのでレベルは格段に上がります。まだ重賞実績に乏しい本馬には少々荷が重い印象を受けます。
また、ゴールデンスナップは牝馬ですが、過去10年の阪神大賞典で牝馬が苦戦していることもマイナス材料と言えます。過去10年の阪神大賞典での牝馬は6頭が出走し15年のデニムアンドルビーが2着に入ったのみです。デニムアンドルビーはGIで連対実績がありましたし、ハイレベルなメンバー相手でも互角に戦える能力が必要不可欠なのでしょう。その点で見てもゴールデンスナップは実績不足ですし、人気ほどの信頼は置けないのではないでしょうか。
重賞レースの参考に、是非お役立てください。